愛犬の去勢手術って、経験がある人にとってもそうですが、初めての人には特にドキドキするものですよね。

たくさん悩んで、メリット、デメリットを天秤にかけて去勢手術を選択したとしても、その後自分の愛しい家族であるワンちゃんがどうなってしまうのか、非常に気になる所だと思います。

手術直後にどんな風にお世話をしたら良いのか?その後の生活上、どこに気を付けていたら良いのかなどを、まとめてご紹介いたします。

(関連記事)この記事を読んでいる方におすすめの記事はこちら。

愛犬の去勢手術にかかる費用は?

ペットの去勢は必要?どうすればいい?費用やベストな時期など

愛犬の去勢手術する、しない?メリットとデメリットには何があるの?

 

愛犬が去勢すると何か変わるの?

犬の去勢や避妊では、手術前後で様々な変化が現れます。
今まであった体の一部がなくなるわけですから、まずはホルモンバランスが激変します。
その作用で、様々な部分で影響が出てくるわけです。
一般的に、メスよりもオスの方が変化が大きいと言われています。
まずは一つずつ、変化があるものについて詳しくみてみましょう。

食欲が増し、体重が増える

オスもメスも同様に変化があるのですが、手術のあと、ほとんどの犬が食欲が増し、体重が増えてしまうため肥満になりやすくなります。
ホルモンの影響ともいわれていますし、性欲が食欲に変化するのだとする説もあります。
また、今までの発情関係でのエネルギーが使用されなくなったためにカロリーが消費されず、太ってしまうという事もあります。

発情に関係する行動がなくなる

去勢手術でのメリットだとされている、マーキングやマウンティングが減るというもの、オシッコを腰を落とした形でできるようになるといった事も、場合によってはあります。

ただし、マーキングをする事をしっかり覚えてしまった後の手術では効果が薄いとされていますし、マウンティングはそもそも発情関係だけで行っているわけではありませんので、上下関係を誇示したい時や、コミュニケーションとしてやっている場合はあまり減らないかもしれません。

きっちり効果的な時期に去勢手術を行った場合は、マーキングを覚える前なので、片足を上げたオシッコのポーズはずっとしなくなります。
次の項目で挙げている性格部分にも関係しますが、発情関係で興奮している場合のマウンティングについては、時間が経つにつれて減ってきます。

性格が穏やかになる場合もある

もともとの性格が穏やかであれば変化もほとんどない、という事にもなりますが、そもそも、犬が持ちうる本来の性格自体は変化しません。
発情に関するものだけが変化するため、それ以外の原因がある攻撃性などは、手術後も同じように攻撃的です。

発情期のメス犬の場合は、生理時の人間同様、敏感になったり、イライラしがちになったりしますので、それに関する行動やイライラは治まり、穏やかになったと感じる人もいます。

また、発情期のメス犬の匂いにひかれて攻撃的になったり、突発的に本能にまかせて走り出してしまうようなオス犬に関しては、他の犬に無関心になり、攻撃性がなくなりますので穏やかになったように感じる事があります。

ただし、小型犬に多いようですが、手術する事で恐怖を感じたのか、逆に攻撃的になってしまったとか、怖がりになったという犬もいますので、必ずしもすべてが穏やかになるわけではありません。
他に、赤ちゃん返りをしたような幼さが出てくるといった場合もあるようです。

好みが変わってくる

手術前にはボールが大好きだった犬が、手術後はまったくボールに興味を示さなくなる、など、し好品に関しては変化する事があるようです。

オス犬では、手術後の睾丸部分の形が変わる

玉袋に入っている睾丸を取り出す事になるのですから、当然その部分のふくらみは徐々にしぼんでなくなります。
ただ、手術直後に腫れたり、中で出血がある場合はしばらく形がそのままであるように見える場合もあります。
精巣類がなくなったからといって情動がまったくなくなるわけではありませんので、興奮すると勃起する事はあります。
その場合は、根元に玉状のふくらみが見える事もあるようです。

去勢手術直後のケア方法はどんなもの?

去勢手術を行った当日、あるいは1~2泊してから帰る事が一般的ですが、いずれも、犬にとっては訳も分からず住み慣れた我が家から離されている事になります。
普段と違って怯えているかもしれませんし、ストレスなどから元気ない状態なら飼い主は心配になりますよね。
手術直後は、しっかり様子を見ながらできるだけ安静にできるように気を付けましょう。

食事は、普段通りに食べさせてかまわないのですが、前述したとおり、太りやすくなりますし、食欲も次第に増してくるので、去勢手術後に食べさせる専用のフードに換えたり、量を調節するなどして、健康管理はしっかり考えてあげましょう。

動かない、元気ない状態の場合は、主に手術や環境の違い、カラーなどの装着物でのストレスが考えられますので、安静にしつつ様子をよく観察してあげてください。
ほとんどの場合は、2~3日で元のように元気になるようです。
ストレスから、嘔吐したり下痢する場合もありますので、あまりにも頻繁にあるようでしたら、獣医さんに相談してみてください。

また、メス犬の場合はおなかの傷が癒えるのを待つ時に、傷口を舐めて抜糸までに糸がとれてしまわないように気を付けましょう。

オス犬の場合は、玉袋のあたりが丸く腫れていたり、赤黒く変色しているかもしれません。
これは、手術後によくみられる症状の一つで、炎症を起こしているものだそうですので、数日ほどで収まってきます。

中には、少量の出血が傷口から見られる場合もあるかもしれませんが、これもよくある事ではあります。
慌てずに出血の様子を観察し、じわじわ少量で止まるようなら良いのですが、止まらない、あるいは量が多いなどの場合は、獣医さんに相談しましょう。

糸がもし、気が付いた時にはなくなっていた!と気づいた場合も、すぐに命に係わるというわけではありませんので落ち着いて、傷口が開いているかどうか、糸が全部とれたのか、一部なのかなどを観察し、獣医さんに相談するようにしましょう。

抗生剤などを処方され、退院後は自宅で飲ませる事になると思いますが、上手に飲ませられない場合も獣医さんに相談しましょう。

傷口の消毒をすることは不要ですが、一週間後くらいにある抜糸、または経過観察の診察までは、汚れて化膿する事を防ぐために外出や散歩をできるだけひかえる方が良いでしょう。
シャンプーも、その期間はやめておいた方が無難です。

抜糸って痛い?痛くない?

人間の手術でも犬の手術でも、抜糸の時は麻酔をせずに行います。
一昔前までは結構痛いという話も聞きましたが、現代では、ほとんど痛みはありません。
バチンバチン、あるいはプチプチと、世間話をしながらあっという間に取ってしまっておしまい、という事になります。
そのため、ワンちゃんにもほとんどストレスなく、気が付いたら終わっている、くらいの感覚になるのではないでしょうか。

その後、稀に糸が残っているような状態に気づいた場合は、早めに獣医さんに診てもらうようにしましょう。

抜糸が不要な糸が使われている場合は、通常の抜糸と同じくらいの時期に経過観察の診察があると思います。
そこで問題がなければ、手術前の生活に戻れると思いますので、それまでは安静にしつつ、しっかり様子を見てあげてくださいね。

生活面では何に気を付ける?

手術したあとは太りやすいと前述したとおり、肥満になってしまう事を防ぐのが最大の気を付ける点となります。
普段通りの生活に戻ったら、とにかく食事の質、量、運動量をしっかり考え、手術前よりも運動を少し多めにしてあげると良いでしょう。
ストレスの軽減にもなります。

手術後に甘やかせすぎると、その事によって性格が変わって見える場合もありますので、手術直後の安静と観察は欠かせませんが、なんでも自由にさせるような事はやめておきましょう。

(関連記事)この記事を読んでいる方におすすめの記事はこちら。

愛犬がヘルニアで手術となったら費用や入院期間はどのくらい?手術しない選択肢はないの?

毎年必要?料金は?犬の混合ワクチンってどんなもの?

 

まとめ

去勢手術をしたワンちゃんたちは、大なり小なりストレスをかかえていると思います。
そのため、丁寧なケアと愛情たっぷりの関りが必要となります。
初めての手術の場合は、知らない事が多くて心配だらけかもしれませんが、あらかじめどんな状態になるのか情報をつかんでおくと、いざという時に焦らなくてすみますよね。

去勢手術をした犬は、しなかった犬より平均寿命が2年ほど長いというデータもあるようですが、適切なケアと健康管理の結果かもしれません。普段からの飼い主さんの細やかなチェックで精いっぱい、長生きさせてあげましょう!

「手術」「予防接種」に関する記事の一覧はこちら


スポンサーリンク

 

関連記事