愛犬には、いつか来るお別れのその日まで、大きなケガや病気もなく元気に過ごしてほしい。
だからこそ、混合ワクチンの接種などの予防ケアもします。

しかしこの「犬の混合ワクチン」、実際のところ、どういうものなのでしょうか?

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犬の混合ワクチンって、何?

日本で行われている予防接種には

  • 狂犬病予防接種
  • 混合ワクチン

の 2種類があります。

狂犬病予防接種は狂犬病予防法に基づき、飼い犬には年一回の接種が義務づけられている予防接種ですね。

一方、混合ワクチンは任意の予防接種です。
混合ワクチンには 3種から多いもので11種があり、その内容は動物病院や製薬会社によって取り扱うものが違います。

混合ワクチンで予防する病気

現在は以下のような病気に関してのワクチンが開発されています。

  • ジステンパーウィルス感染症
  • パルボウィルス感染症
  • 犬パラインフルエンザウィルス感染症
  • 犬伝染性喉頭気管炎
  • 犬伝染性肝炎

この5種が基本となるワクチンとされており、6種以上になると

  • コロナウィルス感染症
  • レプトスピラ感染症

が含まれ、このうちレプトスピラ症が血清型により 5種分かれています。
これらの病気に対するワクチンを複数混ぜたものが混合ワクチンです。

混合ワクチンの料金は?

ワクチン接種の料金は、調べていくと5種で5,000円、8種で8,000円などワクチンの種数× 1,000円という費用感のところが多いようです。

8種のワクチンの料金が同じ地域の動物病院でも 5,000円から9,000円と開きがあったり、8種でも9種でも料金が同じ、といったこともあるよう。
目安は目安として捉えておき、心配な場合は直接、受診予定の動物病院に確認するのが良いでしょう。

病院によっては、病気単体でのワクチンを用意しているところもあるのだそう。
ただその場合混合ワクチンにした方が料金は割安になるともいいますから、愛犬の状態や体への負担なども考え合わせて決めたいところですね。

混合ワクチンは毎年必要?

混合ワクチンの接種について、毎年の接種が必要であるという意見がある一方、毎年の混合ワクチン接種は必要ない、という意見もあります。

混合ワクチン接種の時期は、どのように考えれば良いのでしょうか?

混合ワクチンについて、狂犬病予防接種と同じように毎年受ける必要があるという意見には、当然愛犬の病気への心配がありますよね。
もちろん、「毎年は必要ない」という意見にも、同じ心配が前提としてあります。

それでも意見が分かれるのには、こんな理由がありました。

ワクチン接種後の副作用に対するリスク

ワクチン接種による副作用として、アナフィラキシー・ショックの可能性があります。
アナフィラキシー・ショックは、接種後 20分以内に呼吸の乱れや体温低下、顔面の腫れやジンマシンなどの初期症状が現れ、悪化すれば死に至ります。

このため、動物病院ではワクチン接種後 30分程度は院内で待つよう指示しているところもあるそうです。

ワクチン接種の副作用は、こういったすぐに現れるものだけでなく、時間をおいて現れるものもあります。
ほかにも甲状腺機能低下やアレルギー性皮膚炎、ガンといった病気が副作用として言われています。

ワクチン接種は犬の負担になる?

何種の混合ワクチンを接種するのかは、生活環境や活動・住んでいる地域によって「どのワクチンが必要か」というところから決めていることがほとんどだと思います。

動物病院でも、基本的なものに追加して地域・活動などを想定して必要になるものを満たすものを勧められることが多いですよね。

ワクチン接種で心配されることに副作用の問題がありますが、混合ワクチンには複数のワクチンが含まれていることから、5種・8種など増えるごとにさらにリスクは高まります。

また、ワクチンを接種することにより、ワンちゃんの体内ではそれぞれの病気に対する免疫を作ろうとする動きが起こります。
同時にたくさんの病気に対する免疫を作ろうとしていれば、多い分だけワンちゃんの体には負担がかかりますよね。

シニア犬などは特に、免疫を作る力やワクチンで接種したウイルス等に対応する力が弱くなっていたり、体力自体が弱っていたりという理由から、ワクチンの種類を減らしたりワクチン接種自体を避けたりということもあるようです。

毎年1回のワクチン接種は「過剰」?

現在の日本では、動物病院で毎年1回のワクチン接種を勧めていることが多いですね。

その根拠には、ワクチンの種類やワンちゃん自身の免疫力・住んでいる環境によって違いはあるものの、おおむね1年ごとにワクチン接種していればほぼ確実に病気の予防ができるから、という話があります。

ところが海外ではどうなのかというと、日本とは少し事情が違うようです。

アメリカでは 2008年に獣医大学が出した新しいワクチンプロトコル(医学上の取り決め)において、「毎年ワクチンを打つ科学的根拠はない」とされ、全米の獣医大学やカナダで採用されているそう。

これにより、日本では毎年の接種が義務付けられている狂犬病予防接種でさえ、アメリカでは3年に1度とされています。
これは1度の予防接種で作られる抗体が 3年程度は持つと考えられていることによるそうです。

日本でもこの流れを受けて、毎年1回のワクチン接種が見直される向きもあり、毎年1回のワクチンを廃止している獣医さんも出てきているようです。

ワクチンの過剰摂取による病気の心配

毎年1回のワクチン接種は過剰である、とする意見の背景には、ワクチンの過剰摂取による病気の心配がありました。

ワクチンの副作用とされている甲状腺機能の低下やアレルギーなどについて、ワクチンの副作用というよりはワクチンの過剰摂取による影響なのではないか、という疑いが出てきているというのです。

そのため、毎年では多いとする意見には、合わせて「抗体検査をして抗体がなくなっているなど必要が認められたものに対して接種すべき」という内容が含まれています。

どうすればいい?今年の予防接種

混合ワクチンの接種時期・頻度については、毎年1回、3年に1度で良いなどと意見の分かれるところですが、具体的にはどのように考えたら良いのでしょうか?

混合ワクチンの選び方と頻度

何種の混合ワクチンを打てば良いのかは、任意であるだけに飼い主さんの判断にゆだねられる部分ですよね。
病気は防げるだけキチンと防ぎたい、けれども多いほどワンちゃんの体には負担がかかる・・・となると、迷いますし判断もしにくいもの。
混合ワクチンの頻度や選び方は、どんなことから考えれば良いのでしょうか。

「いつ」「何を」の手がかり1:抗体検査

動物病院で相談するのはもちろんですが、そのほかに飼い主さんとしてできることとして、抗体検査を受けるという方法があります。
獣医さんから事前に抗体検査を勧められることもあるようです。

この抗体検査によって、ワンちゃんの体の中に、何の抗体がどの程度あるのかが分かります。
それが分かれば、足りない抗体に対して必要を満たすものを選ぶことができますね。

その結果によっては、今年は必要ない、となることもあるでしょう。
ワンちゃんによっては抗体ができにくい体質などの個体差があり、毎年1回の接種が必要な子もいます。

あくまでも病気を予防するためにする予防接種ですので、推奨される時期で接種するのではなく、ワンちゃん自身に何が必要なのかを知りそれに合わせて対処することが必要です。

毎年1回、たくさんの種類の混合ワクチンを打っていれば安心!とは行かないのですね。

「いつ」「何を」の手がかり2:飼育環境

抗体検査のほかに、愛犬にとって必要なワクチンを考える手がかりは「飼育環境」にあります。

愛犬の健康状態や犬種に左右される部分がまずありますが、住んでいる地域や普段よく行くお散歩コースがどんなところか、一緒にアウトドアを楽しむことが多い、逆に日々のお散歩以外はほとんど外へも出ない・・・などの生活環境も大きなポイントに。

たとえば大きく分けられるところでいえば、住んでいる地域が東日本なのか西日本なのか。
東日本ならまったく心配なし、ということではありませんが、西日本と東日本で比較した場合に西日本の方が気候的に「レプトスピラ症」が発生しやすいといわれます。
その場合には混合ワクチンも「5種ではなくレプトスピラ症のワクチンが含まれている7種にしよう」と考えられますね。

また同じレプトスピラ症を警戒すべきといわれるのは、飼い主さんと一緒にアウトドアで遊ぶ機会のある・多いというワンちゃん。
山や川で遊ぶ機会が多いほどレプトスピラ症に感染するリスクも高まるため、そうなると混合ワクチンを選ぶときにはレプトスピラ症のワクチンを含んでいるものを選ぶことになりますね。

愛犬に必要なものを知って、頻度を考えるには

混合ワクチンをいつ、何種のものが必要なのかを考えるには、まず愛犬の生活環境や犬種・健康状態から「混合ワクチンで予防できるもののうち、何の病気に対する備えが必要か?」ということを把握しておきましょう。

そのうえで、愛犬に不必要な負担をかけることなく病気を防ぐためには、年に1回程度健康診断を兼ねて動物病院で抗体検査をしてみましょう。
抗体検査によって足りないものがあればワクチン接種をし、足りないものがなければその年はワクチン接種をしないという選択もできますね。

またドッグランやペットホテル、ペットと泊まれる宿泊施設などの利用にあたって、年に1回のワクチン接種をしていないと利用を断られてしまうというケースもあります。
こうなるとワクチン接種をしないわけにもいかないのですが、その際にも抗体検査で愛犬の状態が分かっていれば、愛犬の負担を最小限に抑えるためにどうしたら良いかといった検討もできます。

予防接種を受ける際の注意点は?

愛犬に、できるだけ安全に予防接種を受けさせるには、どのようなことに気をつければ良いのでしょうか。
基本的な注意点は、以下の 3つです。

  • 体調が万全であることを確認
  • 予防接種は午前中の早い時間に
  • 発情中やその前後のメス犬、妊娠中の犬、授乳中の犬は接種を避ける

体調が良くても負担のかかることですから、副作用などによる体調の悪化を防ぐためにも、愛犬の体調はしっかりと確認しましょう。
また、午前中に予防接種が済んでいれば、早い段階で副作用の兆候や体調の悪化が認められた場合にも午後の診療時間などに連れて行けるので安心ですね。

子犬の場合にはどうなるの?

子犬の場合、WSAVAのワクチネーションガイドラインで推奨されているコアワクチンのプログラムがありますね。

1回目のワクチン・・・6~8週齢
2~3回目のワクチン・・・前回の3~4週後
3~4回目のワクチン・・・前回の3~4週後
ブースターワクチン・・・26~52週齢のいずれかの時点

引用「犬のココカラ

ここで接種される「コアワクチン」には、ジステンパー、パルボウイルス、アデノウィルスといった感染症のワクチンが含まれ、混合ワクチンでいう3種混合と内容的には同等と言えるでしょう。
このほかのレプトスピラやパラインフルエンザなどは「ノンコアワクチン」に分類され、地域や生活環境なども踏まえて接種するかどうか、またどの程度の頻度やタイミングで接種するかが検討されます。

このため実質的にはワクチンプログラムが終わった翌年から、混合ワクチンの種類や頻度を考える必要がでてくると考えておけば良いでしょう。

フィラリア予防などのワクチン接種との兼ね合い

ワンちゃんの健康のためには、混合ワクチンで予防できる病気の対策のほかにも必要なことってありますよね。
そのひとつがフィラリア予防。

フィラリア予防には、4つのタイプのお薬があります。

  1.  錠剤
  2. チュアブル
  3. スポット
  4. 注射

ワクチン接種からフィラリア予防注射は間隔が必要

フィラリア予防薬は、錠剤などでは5~6月から始めて12月ごろまで月に1回というのが多いですよね。
しかし月に1回となると、日々の忙しさのなかでウッカリ飲ませ忘れていた!ということも起きてしまいます。
それに対して注射でのフィラリア予防の場合には年に1回で1年間効果を発揮。
飼い主さんにとっては飲ませ忘れの心配もなく助かりますよね。

しかしワクチン接種とフィラリア予防の注射は両方同時にはできないもの。
動物病院によって細かな基準は変わってきますが、ワクチンとフィラリア予防の注射は間隔をあけて行います。

「狂犬病ワクチン→フィラリア予防の注射」の場合2週間以上
「混合ワクチン→フィラリア予防の注射」の場合4週間以上

引用「獣医師 まつもと先生!のブログ

この期間を提示している獣医さんのところでは、順番が逆でフィラリア予防の注射のあとワクチン接種となる場合にも、2週間以上の間隔をあけるのだそう。

これがどういう理由によるかといえば、どの薬も多かれ少なかれ副作用の心配はあるということ。
間隔をあけておかないと、いざ副作用がでたときに「何の副作用なのか」が判別できませんね。
ワンちゃんの体にかかる負担と、そうした「何かあったときのこと」を踏まえて、こうした間隔をあけて行なわれています。

そうなるとワクチン接種のタイミングによってはフィラリア予防が思うタイミングでできない可能性も。
その点も合わせて、かかりつけの動物病院で相談して予定を組むと良いですね。

混合ワクチン接種後に早くできる方法

1~3のタイプ、つまり注射以外のタイプであれば、ワクチン接種後24時間以上様子をみて体調が悪くなったり副作用が出ていなければ使用できます。

しかしワクチン接種によってワンちゃんの体に起きる異変は、副作用によるものだけではありません。
心当たりのある方も多いでしょうが、「動物病院で注射をした」ということで既にグッタリ・・・ということもありますよね。

注射針を外し、ジンのお腹の下をみると、小さな水たまりが…
あまりにも怖くて、ちびってしまったのか!
ワクチンの影響で元気をなくしてしまったけど、明日からまた元気になるよ、と言い聞かせてヨシヨシ。
ワクチン接種でグッタリ…

引用「自由が丘 ヨガスタジオ ギフト 公式裏ブログ ~毛玉の成長記~

薬剤的には大丈夫と言われていても、そうしたことも含めて「弱っているとき」は避け、いつも通りの元気を取り戻してからにしてあげた方が良いでしょう。
ワクチン接種後に錠剤などを使用するのであれば、24時間以上あけて体調に問題がなく元気なようであればというのが最速のタイミングということになりますね。

もちろん錠剤を利用するにも安全のために期間をあけるようにしているという人もいます。

私は安全のためフィラリアとは半月ほど日にちをずらして
フィラリアが月末なら、注射は中旬頃に
ずらしたほうが安心

引用「Yahoo!知恵袋

愛犬の状態に合わせて、より安心できる方法やタイミングを考えてあげたいですね。

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混合ワクチンの接種は愛犬に合わせて

接種しておけば重大な病気を未然に防ぐことのできる混合ワクチン。
ワンちゃんによって、抗体のできやすさも必要なワクチンや頻度も違ってきます。

予防するためのワクチンで、かえって病気をかかえてしまっては元も子もありません。
混合ワクチンの接種の際は、キチンとした見極めをしたいですね。

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