環境省の犬の登録頭数の推移だけを見ても、ペットを飼育する人や世帯は増えています。
ペット医療の発展もあり、ペットの平均寿命も昔と比べればずいぶん長くなりました。

またペットとの関係性も密になる傾向にあり、長く共に暮らした愛犬などとの死別によりペットロスに陥る飼い主さんも増えています。

ペットロスに陥ってしまったら、それをどうやって乗り越えて行けば良いのでしょうか。

ペットロスってなんだろう?

ペットロス」という言葉を辞書で引くと、かわいがってきたペットとの死別による心理的な打撃・ストレス、といった説明が出てきます。

実際にペットロスに陥った方からすれば、そんな簡単な説明では片づけられない悲しみや苦しみがありますよね。
うつ状態などの精神的な症状だけでなく、身体的な影響が出る方もいます。また、ペットロスが原因で自殺まで考えたという方もいます。

家族や友人が亡くなったときでも、そのダメージや乗り越え方は人それぞれ。ペットに対する愛情は強かったけれども、早い時期に心の整理がついて踏ん切りがついたという人もいれば、長い苦しみを抱える人もいます。

 

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どうしてペットロスに陥るのか

ペットとの死別は、誰でも悲しいものです。早い時期に乗り越えて行ける人もいますが、深刻なペットロスに陥ったとしても不思議はありません。

そもそもこのペットロスは、なぜ起こり、どのような理由で深刻化するのでしょうか?

精神科医であったエリザベス・キューブラー・ロス博士による「悲しみの5段階」によれば、人が死というものを受け入れるのには、5つの段階があるのだそう。

  1.  否認・隔離
  2. 怒り
  3. 取引
  4. 抑うつ
  5. 受容

ペットとの死別に当てはめると、1つめの段階では「ペットの死が受け入れられない」段階ですね。
平たく言えば、「愛犬が死んだなんてまだ信じられない」といった、「まだそこにいるような気がする」段階です。

次に来る怒りは後悔をともなってやってきます。
病気が原因で急死したり、不慮の事故などでは「なぜ防げなかった」「なぜあのとき」といった後悔とともに自分を責めてしまうこともありますよね。

この後悔の深さは、ペットへの愛情やともに過ごした期間の長さに必ずしも比例はしません。
病死や不慮の事故による急死に限らず、天寿を全うしたペットとの死別にあっても、「こんな飼い主で、あの子は幸せだっただろうか」と考えるあまりに深刻なペットロスに陥る人もいるのです。

そのときどうなる?ペットロス

ペットロスに陥り、それを乗り越えた飼い主さんたちは、どんなキッカケでどのようにして立ち直ったのでしょうか。実際にペットロスに陥った飼い主さんたちの経験談を見てみましょう。

”亡くなって数か月経ちますが今でも気を抜くと号泣してしまい”
”生まれ変わりなんてない、とわかってはいますが”
”「あの子が生まれ変わって私のところへ戻ってきますように」と願い事をしてしまったり”
”好きだったおもちゃやオヤツも捨てられずに”
http://girlschannel.net/topics/214083/
引用「GirlsChannel」

ペットを亡くした後しばらくたっても、おもちゃや食器などが捨てられない・片づけられないというのはありますよね。
戻ってはこないのだと分かっていても、まだそこにいるような気がしてしまったり。

いっそ思い切って処分してしまえばという思いと、そんなことはできないという気持ちの間で揺れている間というのは、本当に辛いものですよね。

”亡くなった時は流石に落ち込みましたし、鬱にもなりました”
”相当まいってしまって、全部放り投げて会社やめちゃいました”
”今でもかえってきてほしいと思いますが、それでは成仏もできんだろうと”
”新たな二代目ウサギを迎えました”
”二代目が初代ちゃんと似たような事をするたびにこんな事あったね、とか色々思い出し”
”しばらくすると死んだ悲しさより、楽しかった思い出に目が向きはじめました”
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14176288104
引用「Yahoo!知恵袋」

”8歳の可愛い子を病気で亡くした時、1カ月後に保健師さんに電話相談”
”写真と外出を無理なく出来る範囲で、と言われ”
”3カ月後に精神科の先生と面談した時には、話すとき涙がでましたが、もうかなり外出で気がまぎれてました”
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14176258304
引用「Yahoo!知恵袋」

新しい子をお迎えしたり、外出など何かしらの別のことに目を向ける時間を作ることによって乗り越えられた飼い主さんも多いです。

新しい子を迎えた飼い主さんには、一時的には新しく迎えた子を亡くすことが心配になり、病気のことなどを調べたりかなり神経質になってしまったという方もいました。

ですが最終的には「この子をちゃんと育ててあげなければ」「しっかりしないと」と自分を奮い立たせたり、新しい子との触れ合いの中で亡くした子との思い出を振り返り、楽しかったことや幸せだったことを思い出していく中でいつの間にか回復したという方が多くいました。

ペットロスを乗り越える方法は?

「悲しみは時間が解決する」という見方もありますね。
実際にペットロスに陥ってなかなか立ち直れないでいると、そんな言葉をかけられることもあります。

ですが、本当に時間が解決するのでしょうか?

”二年半が過ぎました”
”最初の一年はモカをお写真を見て涙していましたが、今は楽しかった思い出ばかりが浮かび”
”ただ闇雲に時間が過ぎたのではなく”
”まめをモカへの思いも込めて愛することで、この時間がペットロスを克服するのに助けに”
http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2009/0221/226395.htm
引用「発言小町」

特に新しい子を迎えた飼い主さんたちで多かったのが、亡くした子のぶんもと愛情を注いで新しい子を育てていたり、新しい子をキッカケに亡くした子との楽しかったことを思い出したり、またそれを家族と話したりといったことが助けになったという話でした。

新しい子を迎えなくても、亡くした子との後悔ではなく楽しかったことや幸せだったことをたくさん思い出して家族と「あんなことあったね」などと話していたことがキッカケになることもあります。

迎えたばかりのころ、すっかり我が家に定着したころ、困り果てたイタズラ、言葉が通じているかのようにしていたリアクション。
一緒に過ごしてきた時間のぶんだけ、思い出はたくさんあるはず。写真やお墓に向かって、「あのときは楽しかったね」などと語りかけてみたりすることで気持ちが癒やされることもあります。

また、有名な虹の橋の詩もありますね。
天国へと旅立ったペットが、その手前で食べ物や水もあり老いや病気から回復した元気な姿で仲間と楽しく遊びながら飼い主さんを待っていて、いつか飼い主さんが亡くなったときには再会し一緒に虹の橋を渡っていく。
そんな散文詩です。

虹の橋の話やその詩は、古くからインターネット上でも出回り、多くの方が目にしたあるいは話を聞いたことがあるのではないでしょうか。
そういった気持ちの整理をつける助けになるものにたくさん触れてみるのも、ペットロスを乗り越える方法としてたくさんの人が活用しています。

 

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悲しみも後悔も、決して悪いことではない

ペットを飼っていれば、いずれやってくるお別れの日。それがどんな理由であろうと、悲しみはやってきます。
どんなに手を尽くしても、「もっと何かできたんじゃないか」という気持ちになることもあります。それは決して、悪いことではありません。

そんな思いが強すぎてうまく立ち直れないときには、家族や友人とペットに関する思い出話をたくさんしてみたり、気持ちの整理を後押ししてくれるようなものにたくさん触れてみましょう。


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