愛犬とのお散歩、お互いちょうどいいペースで歩けたらいいのですが、ぐいぐいと引っ張る子もいますよね。たまにだったらいいのですが、いつもこの調子だと困ってしまいます。落ち着いて散歩ができるようになるには、どうすればいいのでしょうか?しかしその前に、そもそもなぜ引っ張るのでしょうか?まずはその理由から解明していきましょう!

犬がリードを引っ張る理由とは?

犬は、もともと群れで狩りをする生活でした。今ではすっかり見なくなりましたが、まだ野良犬があちこちにいた頃は、よく群れをなしていたと当時のことを知る方は言います。群れの中にはそれぞれ順位があり、ボスが君臨しているのです。よく、犬は家族に順番をつけるという話を聞きますよね。これは、そのようなところから来ているのです。

群れのリーダーは自分

散歩に出るとき、犬にリードを引っ張られるなら、おそらくその犬は「自分がリーダーだ!」と思っているのでしょう。だから自由に進んでいいし、飼い主に無理強いだってします。自分がリーダーだと自覚している犬にとっては、人(群れの仲間)が着いてくることが当たり前だし、自然なことなのです。

順位を入れ替えること

犬は群れの順位を重んじるので、飼い主が一番だと認識すると、逆に今度はきちんとそれに従います。なので、直接的に引っ張り癖を治そうとするよりは、順位を入れ替えればいいのです。言うなれば、下剋上ですね。そうすれば、あんなに苦労した引っ張り癖だって、本当に治ってしまうのです。

ごはんのときに「待て」と「よし」はできますか?

待て」と「よし」、犬のしつけはこれが基本になります。ご飯のときのみならず、散歩の引っ張り癖だって「待て」をきちんと覚えていれば、このようなことになりません。もしできていなければ、まずはこれもしっかり覚えさせましょう。「待て」と「よし」はできるのだけど…という方は、「ふせ」や「お座り」など、従えさせることを増やしていきます。

飼い主の幸せは、自分の幸せ

ここで、優しすぎる飼い主の方は、そんなことまでさせたくないと思うこともあるかもしれません。でも、犬を従わせることは、犬にとっても幸せなのです。

犬は飼い主に服従するからといって、それでストレスを溜めるわけではありません。(飼い主が上だという順位を理解するまでは、「なぜ?」「いやだ!」と反発することもあるかもしれませんが…)きちんと順位さえ理解すれば、もともと群れの順位を重んじる犬なのですから、それに従うことは何の違和感もなく、ごく自然なことなのです。そうして犬がきちんと飼い主に従うことができれば、お散歩をはじめいろいろなことが上手くいって、飼い主も喜びます。すると、犬だって嬉しいのです。

飼い主が幸せそうにしていたら、犬は一緒に幸せを感じるのですから。

お散歩のときのしつけ実践編

それでは、「待て」と「よし」と同時進行で、お散歩のときも、きちんと従うよう順位やルールを理解させていきましょう。

 

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首輪をハーフチョークに変えましょう!

お散歩のときのリードや首輪はどんなものを使っていますか?引っ張り癖のある犬には、「ハーフチョーク」の首輪がオススメです!これは、首輪の後ろの方が一部チェーンになっています。このチェーンについたリードを飼い主がサッと引くと、きゅっと首輪が締まるしくみになっているのです。でも、その構造上締まりすぎることはなく、犬を傷つけてしまったりすることはないので、安心してくださいね。

出典 Dog Catch
http://www.dogcatch.com/fs/kubiwa/c/halfchokelesson02

犬をはじめ、ほとんどの哺乳類は首が急所なので、首まわりが締まるとストレスを感じます。ふつうの首輪の場合は、犬にとってはではぐいぐい引っ張ったって締まりすぎることはないし、胴に巻くハーネスなんて、全く何ともありません。(きちんとしつけができている犬には、ふつうの首輪やハーネスでも十分です。)

でもハーフチョークは、飼い主がさっとリードを引けば、首輪がくっと軽く締まると同時に「チャリッ」とチェーンの音も鳴るので、犬としてはそれも同時に合図となり、覚えやすいのです。

ただ、ここで知っておいていただきたいのは、ハーフチョークでさっと締めることは、言うことを聞かない犬に対して「罰を与えるのが目的ではない」ということです。正しくは、やってはいけないことをしそうな犬に対して「直前に『それはダメだよ』と合図を送る」ことが目的です。

犬は、悪いことをしたあとに叱られたって、自分がなぜ叱られているのか、よく理解できません。それよりも、してしまう直前に合図(ハーフチョークによる軽い負荷)をかけることで、「これをしようとすると、こうなる」ということを、体で覚えることができるのです。

実際に歩いてみましょう!

それでは、実際に犬と一緒に歩くときに、ハーフチョークを使ってみましょう。まず、リードを少したるませた状態にしておき、何でもないときにサッと軽くリードを引きます。そして、犬がこちらを向いたら、思いきり褒めたり、おやつをあげたりしましょう。こうすることで、合図が出たときに、飼い主に意識を向ければ良いことがあると覚えます。

引っ張り癖のある犬なら、初めはそれさえも難しいかもしれませんが、チャンスをうかがって、何度も何度も挑戦してください。そうして繰り返すことにより、犬も自然とできるようになるのです。

ここで注意してほしいことは、ハーフチョークをぐいぐい引っ張ったままでは、あまり意味がないということです。ゆるめてさっと引く、「合図を送る道具」として使うことが大切です。

リーダーウォークを徹底する

次に、犬が引っ張って先に行こうとし始めたら、サッとリードを引いた後、その場で立ち止まりましょう。それでも犬が引くことをやめなければ、飼い主は反対方向に向かって歩き出します。そして、犬が一瞬でも着いてきたら、思い切り褒めること。これをひたすら繰り返します。犬は思い通りにいかず最初は反発すると思いますが、どんなに抵抗されても、飼い主は頑なにボスとしてリーダーウォークを貫かなくてはなりません。

繰り返し、繰り返し行うことが大切

大切なのは、この地道な作業をただただ根気よく繰り返すことです。なかなか難しいでしょうし、時間もかかるかもしれません。でも、根負けして一度でも犬について行ってしまうと、振り出しに戻ってしまいます。そうすると、犬の意識もリセットされて、また初めからやり直しです。気力も体力も使うかもしれませんが、その道の先には良いペースで一緒に歩ける楽しいお散歩が待っているはずです。どうかがんばってくださいね。

 

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まとめ

ただただ目の前の引っ張り癖だけを治そうとしても、焼け石に水です。まずはその関係性から根本的に変えていかないと、その時だけどうにかしようとしても全く意味をなしません。自分と犬の順位を入れ替えること。そして、そのために毅然とした態度で犬に臨むこと。いつか愛犬がきちんと言うことを聞き、スムーズなお散歩をできる日が訪れることを願っています。


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