柴犬など、短めのショートヘアーなのに、なんだかもこもこしてて、ゴソッと塊で毛が抜けかけている。そんな状態の犬を見たことがある人も多いでしょう。あまり見た目にもよくない感じに見えたりします。

犬種にもよるのですが、犬も人間のように突然大量の毛が抜けてしまうことがありますし、ごっそり毛が抜けかわる換毛期と呼ばれる時期もあります。

犬を飼おうと思っている人も、犬は飼っていないけどなんとなく気になるのが「毛」。特に抜け毛は気になりますよね。そこで、抜け毛について詳しくご紹介します。

犬って抜け毛が気になる

これから犬を飼おうという時も、すでに飼ってから数年たっているとしても、犬との共同生活では抜け毛はペットの悩みとして結構な上位にくるかもしれませんね。どんな時に抜けるのでしょうか。

犬ってなぜ毛が大量に抜ける?

犬の被毛は環境に合わせて進化してきた

犬の毛事情って知っていますか?実は、人間とは結構な違いがあります。というのも、人間は進化する上で体毛が不要になってきましたが、犬はそういうわけにはいかないからです。服を着る代わりに毛で寒さをしのぎ、暑さをやわらげます。ということは、進化してきた過程において、その先祖が暮らしてきた原産国の環境に合った毛を持つようになってきたことになります。そのため、犬種によって毛(被毛)の長さや毛量が異なり、長い毛を持っていたり、短い毛を持っていたりするわけです。

シングルコートの被毛

長い被毛を持つ犬種の多くは、その被毛は「シングルコート」と呼ばれ、一生を通して徐々に毛が伸びていき、換毛期がありません。トリミングしなければ長く伸びていくのです。プードルやマルチーズ、シーズーといった犬種がこれにあたります。といっても、人間の髪の毛と同様に生え変わりますので、多少は抜け毛があるのですが、毛周期が長いので全体的にゆっくり被毛が伸びていくように見えます。

シングルコートの犬種は、日ごろの生活で犬の抜け毛が気になることが少ないので、お掃除が楽であったり、動物の毛にアレルギーのある人には飼いやすいということが言えます。

ダブルコートの被毛

それに対し、二重の被毛を持っているのが、柴犬など日本犬に多い「ダブルコート」と呼ばれる被毛を持つ犬種です。ダブルコートの犬種は寒さに強い寒冷地が原産国の犬種で、1年に2回は、ごっそり毛が抜け替わる「換毛期」とよばれる時期があります。人間が暑苦しい冬用コートを脱ぎすて、涼しげな夏服を身に着けるような衣替えのイメージです。

換毛期は大量の毛が抜けるので、室内犬の場合には、この間のお部屋の掃除が大変だったり、飼い主の洋服に毛がたくさんついてしまったりという悩みも多くあります。また、換毛期にはブラッシングで抜けた毛をよく取り除いてあげないと、湿気や雑菌が溜まりがちとなり、皮膚病となることもあるので注意が必要です。

ダブルコートならではの換毛期とは

ダブルコートと言われるゆえんは、その毛の構造にあります。アンダーコートと呼ばれる内側に生える柔らかな毛と、オーバーコートと呼ばれる外側に伸びてくる太くてしっかりした毛の二種類の被毛を持ち、この構造がダブルコートと呼ばれています。換毛期にごっそり毛が抜けるのは、主にアンダーコートの被毛です。ふかふかで柔らかなこの毛が、冬毛に代わったり夏毛に代わるタイミングでごそっと抜け替わるのです。そのため、換毛期は春や秋にとなり、特に毛の抜ける量が多いので春となります。

ダブルコートでも、シングルコートでも・・・

ちなみに長毛種でも、ゴールデンレトリバーのようにダブルコートの被毛を持つ犬もいて、文献の中でもシングルなのかダブルなのか記述が違ったりします。そのため、こうした犬種は一概にどちらとは言いづらいです。しかも、最近では室内飼いの犬が増え、エアコンで年間を通して気温差の少ない環境を作り出すことが可能なため、あまり換毛しない犬も増えているようです。そのためダブルコートだとは言っても、あなたの愛犬はさほど換毛しない、といったことも起こるかもしれません。

シングルコートの犬種でも少しは抜ける

毛の一生のことを毛周期といいますが、毛の卵ともいえる休止期があり、その後成長期を迎えて長くのびていき、一定の毛細胞の活動が停止したら退行期を迎えて抜けていきます。この「毛周期」は、犬にももちろんあります。シングルコートの犬も、この周期のためにブラッシングなどをすると抜け毛がブラシについてとれます。ダブルコートの犬ほど顕著ではありませんが、ある程度の抜け毛は普段からあるのです。

犬の抜け毛が増える原因

今までに説明してきたような換毛期の抜け毛なら、単なる生理現象なので心配は無用ですが、抜け毛が増える原因は、他にもたくさんあります。もし、下記のような状況が思い当たるようなら、できるだけ早くかかりつけの獣医さんのところへ相談に行きましょう。病的なものであれば、治療してもらうことで良くなります。

換毛期以外で抜け毛の原因

子犬から成犬へ、成長による換毛
シャンプーが皮膚に合わない
シャンプーの頻度が多い、すすぎ不足
シャンプー後の乾燥不足、半乾きで肌に菌が繁殖
皮膚と被毛の汚れ
出産後(栄養不足、ホルモン・バランスの変化)
老化
皮膚炎、皮膚病
脂漏(しろう)性脱毛症:皮脂が毛穴を塞ぐ
アレルギー、アトピー
ノミ・ダニ
寄生虫・感染症(カビ(皮膚糸状菌症)、マラセチア *5、疥癬虫、細菌(膿皮症)、雑菌)
消化不良、栄養不足
ストレス、心因性脱毛 *1
犬種特有の脱毛(・ポメラニアンア:ロペシアX/毛周期停止 *4、・ダックス:パターン脱毛症 *2、・プードルと秋田犬:肉芽腫性脂腺炎 *3)
甲状腺機能低下症
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
引用:dogoo https://www.dogoo.com/toukou/dogqa/health/nukege2.htm

換毛期でもないのによく毛が抜けると言った場合には、このようにたくさんの原因が考えられます。そのため、すぐに原因を一つに絞れるわけではないのですが、大きく分けるとアレルギー系、病気系、衛生面に分けられます。

換毛期じゃないのに毛が抜ける、こんな特徴があれば病気かも

換毛期は最初こそバラバラに抜けて行っても、最終的には全身が綺麗に抜け替わります。ところが換毛期でもないのに毛が抜けるという場合もあります。

一般的に、換毛期でもないのに大量に毛が抜けるようであれば、皮膚疾患などの原因を疑います。換毛期に抜け毛を伴う病気を発症していた場合にはどちらが原因なのかわかり辛いこともありますが、痒みを伴なうようであれば、なんらかのアレルギーか皮膚疾患が隠れている可能性があります。

また、換毛期であれば全体的に抜けていきますが(背中などのもともと毛量の多い部位は抜ける量も多く感じます)、一部分だけとか左右対称に同じ部分が抜けてしまうなど、部分的に抜けてしまうのは病気が原因の抜け毛の特徴です。

皮膚疾患以外にも、ストレスによる抜け毛の場合は飲む水の量や食欲の変化などもありますし、ひたすら同じ場所だけを舐め続けた結果その部分の毛が抜けるといったことも見られます。

換毛期の抜け毛との違いに気が付くためには、普段から愛犬の様子をよく観察することが必要になってきます。

予防するのが困難な抜け毛

シャンプーのしすぎとか、被毛の汚れが原因となって抜け毛を引き起こすような、ケアが原因の抜け毛なら予防も可能なのですが、甲状腺機能低下症などの内分泌疾患が原因であれば予防が困難です。

もしもそうした疾患を予防したいと言う場合にあげるとすれば、普段から食生活を整えて質の良いドッグフードを与えたり、添加物の少ない手作り食にするなどの方法が考えられますが、それだけで病的な抜け毛が100%予防できるわけではありません。

できるだけストレスが少なく、健康的に過ごせるように気をつけつつ、毎日のブラッシングなどのついでに全身チェックをして愛犬の様子を観察してあげてくださいね。

何事も、飼い主さんの観察眼と愛が、病気の早期発見につながりますよ。

 


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