ケージは、犬にとって居心地の良い場所として必要と言われます。

ところで、ケージ、ハウス、クレート、サークル・・・など、似たようなイメージの言葉がありますが、これって具体的にはどう違うの?と思う事ありませんか?

目的や用途で違うのか、生活スタイルによって使い分けたりしているのかな?といった疑問があると思いますので、それらについて説明いたします。

ケージ、ハウス、クレート、ケンネル、サークル、それぞれの違いは?

ペットグッズを取り扱っているショップでよく見かけるこれらの言葉。なんだかカタカナだらけで似たり寄ったりな印象もあります。まずはひとつひとつの特徴と用途について、確認しましょう。

  • ケージ・・・側面、床面、天井すべてに囲いがある。檻やワイヤーネットなどで囲まれており、室内飼いで、留守番をする時や夜眠る時などに使う。
  • サークル・・・側面のみ囲いがあり、天井や床面がない。少し広めにして運動スペースとして使ったり、仕切りがあるタイプをトイレトレーニングとして使うなどもできる。
  • クレート・・・持ち運びが可能でケージに比べると小さめ。移動時などに人間が持ち運びしやすいように取っ手やキャスターがついており、プラスチック製、布製などがある。布製はソフトクレートとか、ソフトキャリーケースという呼ばれ方もします。
  • ハウス、ケンネル・・・ハウスもケンネルも、犬小屋という意味の言葉です。ハウスは犬用ハウスといった表現もしますが、このいずれも概念が広く、広く犬の飼育小屋を指すので、ショップなどではケージもクレートも含めてこれらの表現を使っている場合もある。

ちなみに、ケンネルはケネルとも言います。

似た言葉でケンネルコフもありますが、こちらは犬の伝染性気管支炎のことです。また、ペットショップ名に使われているケンネルには、どちらかというと預かり所的な意味合いがあるようです。

ケージやクレートって必要?「かわいそう」という意見も

犬を飼うならケージは必要」と言われるのですが、その一方で「ケージに閉じ込めるなんてかわいそう」というご意見もよく聞きます。

ケージって室内に置くもの、というイメージもあるかと思います。室内飼いなら、特にケージが無くても犬と暮らせそうというイメージもあるかもしれませんよね。

ケージの必要性

まずは、なぜケージが必要なのかから確認してみましょう。

安心できるテリトリーが必要

ケージは、犬にとっては「安心できるテリトリー」であり、寝床にもなる大事な場所です。安心できる理由の一つに、祖先から受け継いできた習性があります。オオカミ時代からの名残で、外的から身を守るために狭い基地(穴倉など)を作りって休息をとることが必須だったので、今でもケージのような狭い空間が安らぎの場所となるのです。

これがもし部屋全体をテリトリーと認識してしまうと、人間の来客はテリトリーへの侵入となり、人間が行き来するだけで犬にとってはストレスとなってしまいます。その結果、ストレスのために威嚇して吠える、動く人を噛むといった問題行動にもつながります。

ケージがあれば、部屋はボスである飼い主のテリトリーでその中にあるケージの中は自分のテリトリーだとはっきりとわかりやすいので、来客のたびに吠えることは少なくなります。

犬の安全のため

飼い主が留守にしている間、ケージの中にいることで誤飲やコード類を噛むことなどによる事故を防げます。

地震などの災害時にも、ケージの中にいればある程度は落下物などからも守られますし、避難をする場合にはケージに入れておくことが必須となることがほとんどなので、ケージになれさせておくことのメリットは大きいです。

また、クレートに慣れておいてくれれば、病院や美容院などへのお出かけやの際にも便利ですし、旅行などで長時間の車移動の場合でも、クレートの中で安心して過ごせるため、無駄吠えや脱走、事故の危険が減ります。

ケージは正しく使えばメリットがたくさん

ケージは、日々閉じ込めて使うためのものではありません。鳥かごのようにその中で生活するわけではありませんので、必要な時に入ってもらうことになります。

その必要な時とは、主に、来客時、寝る時、飼い主が留守の時などです。犬が苦手な来客があった時には、当然犬はケージに入れておく方がいいですよね。「ケージ=安心できるテリトリー」ということが前提で考えれば、寝る時やお留守番の際にも落ち着いていられる場所としてケージに入ってもらう方がいいと言えます。

稀に、神経質な性格の犬や、怖がりの犬などの場合には、ケージに入れて管理してあげることでリラックスすることができ、落ち着きを取り戻すケースもあるそうです。

インテリアにようなケージも

犬にとってのメリットではないのですが、最近では、おしゃれなケージをハンドメイドする人も増えています。比較的コストをかけずにおしゃれなケージをDIYすることで、室内のインテリアとして一役買うこともあるようです。

こちらの記事では、「簡単で便利」なケージから、「これはすごい!」というものまで、一般の方がチャレンジしたハンドメイドケージを特集しています。参考にしてみてはいかがでしょうか?

参考:犬用手作りケージのデザインアイデア集25選

 

ケージトレーニングの方法

ケージを買ってきたら、まずはケージに慣れさせるトレーニングをしなくてはなりません。人間だってそうですが、初めて引っ越してきた部屋ですぐリラックスできないこともあります。ましてや、犬は言葉が分からないので、このケージが安心できる場所として理解させなくてはいけません。

トイレトレーニング方法としておすすめなのは、次のような方法です。

  1. オヤツや犬が好きなものを準備する
  2. 一緒に遊んであげながらケージに誘導していく
  3. 入ってくれたならドアは開けたままでオヤツやフードを食べさせる
  4. 犬が中を確認し、外と中を行き来しはじめたら、焦らず見守る
  5. ケージに抵抗感がなくなったらそっとドアを閉めてみる

一度はここまでできたとしても、「やっぱり嫌っ」ということもあります。その場合はドアを開けたまま再び同じ方法を繰り返し、犬のペースに合わせて慣れさせてあげます。

1日でできないからと言って、決して焦らず、少しずつ慣れさせることが大切です。

一方、NGなのは次のようなトレーニングや環境です。

  • ×しつけの罰として閉じ込める
  • ×ケージにずっと入れっぱなしで生活させる
  • ×体格に合わないケージ
  • ×トイレを綺麗にしないままケージ内に設置する
  • ×温度が高すぎる、または低すぎる場所にケージを設置する

一度でも、犬がケージやクレートを「イヤな場所だな」と認識してしまうと、トレーニングは失敗しがちです。また、罰として閉じ込める、焦って無理やり言うことを聞かせようと押し込むのも絶対にNGです。

人間だって、無理やり閉じ込められたり、狭い部屋から出してもらえないことがあれば、ストレスと不信感でいっぱいになりますよね。犬のサイズに見合った適切な大きさのクレートを用意し、犬の気持ちを考えながら少しずつ慣れさせましょう。

もう一つ大事なポイントとしては、犬の習性に合わせてトイレと寝床は別にすることです。

お留守番でクレートを使う時以外は、基本的にトイレはクレートとは別の場所に設置します。仕事などでほぼ毎日留守番をさせる場合は、少し広めのケージの中にクレートとトイレをなるべく離して設置すると良いでしょう。

まとめ

犬用ケージやサークルの必要性や用途の違いなどを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

実は意外とその違いを意識していなかったという人も多いのではないでしょうか。

ケージは、無くても問題のない犬もいますが、性格にもよります。絶対にクレートで寝かせてあげないと落ち着きが無くなる、ストレスで問題行動が起きると言う子もいます。

災害時や旅行、来客時などを想定すると、クレートに慣らしておいた方がメリットは大きいので、トレーニングしておく方がベターですね。

 


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