犬の目は、人間よりも乾きやすい状況にあります。特に目が大きめで飛び出ているタイプの犬種では、上下の瞼がしっかりと閉じずに乾きがちになる事もあるそう。人間のようにパソコンやスマホを眺めないとはいっても、ドライアイになることはあるのです。

では、いざドライアイになってしまった時やなりそうな時に、目薬を差してあげたくなったりします。ふと気が付くと、人間用のドライアイ目薬が手元にあったりしたら、その人間用の目薬を使ってはどうかと思いつく方も多いと思います。人間用の目薬って犬に使っても大丈夫なのでしょうか。

犬だってドライアイになる

犬も気付き辛いドライアイ

犬の中でも、シーズーやパグ、ブルドッグなどの短頭種の場合、比較的どの子も目が大きくやや出ていることもあってドライアイになりやすいのだそうです。見た目ではなかなか判断し辛いうえに、犬自身も「目が乾いたよ!」と訴えることもできません。

というか、たとえ人間の言葉を話せたとしても、初期の段階では目の渇きを自覚はしていないのではないでしょうか。仮に、犬自身が自覚できるほど症状が出ている場合は、もうすでにかなりドライアイの状態が長期化し、治療が必要な状態になってしまっているのだと思われます。

ということで、できるだけ飼い主さんの方でこまめにチェックし、早めに症状に気付いてあげなくてはならないのですが・・・これがなかなか難しいのです。

ドライアイになるとこんな症状が

ドライアイは、涙の膜で目を覆う事が不十分になっている状態ですので、目のあちこちに炎症が出てしまうリスクが高まります。乾いた状態の目の表面は傷つきやすく、角膜や結膜をはじめとする目を保護する膜に傷ができると、ばい菌が繁殖してしまうのです。

角膜炎の場合は、目の表面が濁ったように見える場合もありますし、充血することもあります。これに伴いひどくなってくると目をしょぼしょぼさせてあまり開かない、目を気にする、痛がるなどの様子が見られます。同時に黄色く粘った目ヤニや涙がいつもよりよく出てくる場合があります。

目のどこに傷ができて炎症が起きたのかによって、目立つ症状も違ってきます。何か目にいつもと違った異変があるようであれば、すぐに獣医へ相談しにいきましょう。できれば、目のつやがなくなって輝かなくなってきた時点(ドライアイの初期症状)で気付いて目薬を始められるとベターでしょうけれど、なかなか見分けは難しいかもしれません。

人間だって気が付きにくい

この記事のライターも、かつてドライアイと診断されました。眼科を受診したきっかけは、目の充血。白目の部分がやけに充血していて、充血っていうか内出血のように見えました。特にどこかにぶつけたなどの自覚がなかったのと、痛みなども全くなかったのですが、念のため眼科を受診したのです。

すると、「目が乾いてしまって、まばたきの度に目の表面の皮がささくれ立ってめくれてしまい、内出血しています」と言われたことがあります。本人は痛みを感じるどころか、それほど「強烈な目の渇き」も感じていませんでした。このように、あまり自覚がないままに症状が進んでしまうこともあります。ましてや、犬の目は黒目の部分が大きく、充血に気が付きにくいということもあります。こまめに愛犬の様子をチェックするようなスキンシップが重要なんですね。

ドライアイになる原因

犬のドライアイの原因は、短頭種など品種改良の影響もあるとされています。涙の通り道が詰まりやすく、目を保護するだけの涙の量を保ちにくくなることがあります。また、遺伝的な要因も否定できません。もともと親がドライアイ気味だった場合、その子供も発症するリスクが高いのです。他には、老化によって徐々に涙を乾きにくくする油の分泌がうまくいかなかったり不足することでドライアイになりやすい場合もあります。

ドライアイになったら

ドライアイの検査

ドライアイを疑ったら、動物病院で検査してもらいましょう。まずはじっくり目を観察して該当する症状の有無を確かめ、涙の量を計る検査をしてくれます。これは1ミリごとにメモリがある薄い試験紙をまぶたの下に入れ、1分間にどのくらいのメモリまで涙が出るか計る検査です。正常な目の場合は15ミリほど濡れるのですが、14ミリ以下だと、少なくなるにつれて涙液減少の疑いが濃くなります。

ドライアイの治療

ドライアイは、他の炎症や傷と相互に影響している場合もあるので、原因や症状にあわせた治療を行います。一般的には、涙を補充する点眼薬をさす、涙腺刺激ができる薬を使う、軟膏を塗る、抗生物質を併用する、ひどい場合は外科的手術を行うなど、さまざまな方法があります。

初期、あるいは軽い症状があるだけの段階で一般的な治療はやはり点眼薬または軟膏です。

ドライアイの予防

原因が遺伝や機能的なものであることから、残念ながら確実に予防できるといった方法はありません。ただ、こまめに健康チェックをすることで、他の症状に発展するのを予防できます。また、老化によって涙が減る、油の分泌が減ることについては、目の周りにあるマイボーム腺を温タオルで温めてやさしくマッサージするケアを時々行うことによって分泌を促せます。これは、涙焼けの改善や予防にも役立つ場合もありますので、試してみるといいですよね。

犬の涙焼けは治療が必要なの?マイボーム腺の詰まりの場合は

ドライアイのワンちゃんに人間の点眼薬はOKなの?

○○なら犬でもOK

涙の補充が目的の点眼薬としては、人間用にも人工涙液が売られていますよね。こういった人間の点眼薬のなかには、実は犬にも使えるものがあります。マイティアなど、パッケージにも「人工涙液」と書かれているものなら犬に使っても害はありません。

きちんとした治療をするなら

もちろん、ペット用のものも売られていたりします。ただ、薬効成分が含まれていないから安全なのであって、ドライアイの治療目的であれば効果は薄いです。使うとしたら、普段の予防措置のひとつとして、目が赤かったり目ヤニが増えている時などに涙を補充するために使うのが良いでしょう。お散歩の後にほこりやよごれを落とす目的で涙を補充してあげるのも良いかもしれません。点眼薬に、ドライアイの治療効果を求めるのであれば、やはり動物病院で購入した処方された薬を使う方が良いです。

もし、人間用の点眼薬がいっぱい家に余っているけどパッケージも捨ててしまったし内容がよくわからない・・という目薬があったなら、それは犬には使用しないほうが良いです。犬にとって刺激の強すぎるものや、余計な薬効成分が入っていてかえって悪化する可能性も捨てきれません。(そもそも、いつのもので、どんな成分かもわからない目薬は人間も使わない方がいいですしね。)

あくまでも一時しのぎ

もちろん、新しいものをお店で購入する時も注意してくださいね。あくまでも、病院に行くまでの間でどうしても緊急予防として人間用の点眼薬を使うとするならば、「人工涙液」のタイプを選びましょうということです。間違っても一般点眼薬や抗菌性のもの、アレルギー用のものなどは買わないようにしましょう。また、最近は冷涼感の強い「クール」タイプもよく売られていますが、それは避けた方が無難です。刺激が強いので、ワンちゃんもびっくりしてしまいますよね。

なお、きちんとしたドライアイの治療にはお医者様がチョイスしてくれた必要な成分が入っている物を使う方が効率的でもありますし、犬にとっても安全です。あくまでも、人間用の点眼薬を使うのは、一時しのぎと考えておいて、きちんと動物病院を受診してあげましょう。

 

 


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