犬から人にうつる病気があるって知っていますか?狂犬病はその代表例かもしれませんね。日本国内では撲滅されたと言われている狂犬病は、単独で法律名にもなっている(狂犬病予防法)くらいですし、犬を飼っている人はワクチン接種が義務付けられてもいます。ただ、実際にり患した犬を見る機会が無くなっているので、恐ろしい病気であるにもかかわらずピンとこない人も多いでしょう。狂犬病は、日本は清浄国なんだから心配ないでしょ、という人もいるかもしれませが、犬から人へうつる病気って狂犬病以外にももっとあるのです。

気付いた時には手遅れといったことにならないためにも、どんな病気があり、どういったことに注意しておかなければならないのか、しっかり知識を得て予防しておきましょう。

動物から人にうつる病気はあるのか

昭和25年に法律化された狂犬病予防法でも有名な「狂犬病」のほか、実は犬から人へうつる病気ってわりと多くあるのです。その一例で言うと次のようなものがあります。

狂犬病
レプトスピラ症
パスツレラ症
回虫幼虫移行症
かいせん
皮膚糸状菌症
カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症
コリネバクテリウム・ウルセランス感染症
犬ブルセラ症
リステリア症
サルモネラ症
カンピロバクター症
エルシニア・エンテロコリティカ感染症
仮性結核
Q熱
エキノコックス症
SFTS

引用:東京都動物愛護相談センターHP http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/douso/kansen/kan_list/index.html

どれもあんまり聞いた事のないような名前の感染症ばかりなのではないでしょうか。あるいは名前は聞いたことがあっても、症状が思い浮かばないかもしれませんね。感染症と言えば、当然のことながら犬がかかった感染症は犬へ、人なら人へ感染することはあっても、犬から人に、種をまたいで感染するなんてほとんどないのでは?とも思えたりします。

しかしながら、2016年5月に福岡県の60代女性が呼吸困難で救急搬送されたのち、コリネバクテリウム・ウルセランス感染症で3日後に死亡したことが報道されました。女性は野良猫にエサを与えていたことがわかっているため、感染源は猫かもしれないと言われています。この感染症、猫だけではなく犬もかかるもので、犬には症状が出ないまま、人に感染してしまい症状が出るといった場合もあるそうなので怖いですよね。

もしも何らかの症状が出た場合、病院を受診しても、まさかペット由来の病気とは思わないために誤診されてしまうと言ったこともあります。病院を受診する場合には、どういうペットを飼っているかということも伝えた方がいいのかもしれません。

人から犬への感染については、こちらでご紹介していますよ。

家族がインフルエンザに!飼い犬にうつったりしないか心配

犬から人にうつると言われている病気

噛まれることでうつる病気

●狂犬病

狂ったように噛みつきまわったり、興奮して攻撃的になっている犬、あるいは症状が出ている犬に噛まれることでうつってしまいます。人間が感染すると、潜伏期間を経て発症するころには神経症状が出て、昏睡状態に陥り、2週間以内に死亡してしまいます。発症する前に診断することは困難な病気のため、あらかじめワクチンで厳重に予防し、撲滅対策がすすめられています。

日本は狂犬病清浄国とは言え、世界各国にはまだまだ感染例があります。そのため、万が一その可能性のある犬にかまれたりひっかかれたりした場合には、すみやかに狂犬病ワクチンを事後接種することで発症を防ぐのです。

もしも狂犬病がまだあるような国へ旅行に行く前には、狂犬病ワクチンを摂取してから渡航すると安心ですよね。一般的な病院では、人間用の狂犬病ワクチンの接種は行っていませんので、あらかじめ保健所などで「人間用狂犬病ワクチンを接種できる病院はどこですか」という感じで確認しておくとよいでしょう。

噛まれたりひっかかれた傷でうつる病気

●パスツレラ症
●カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症

どちらも犬にはほぼ症状が出ないのですが、ひとたび人間が噛まれると傷が腫れて痛み、重症化すると敗血症や髄膜炎になることもまれにあるようです。

飛沫感染

●コリネバクテリウム・ウルセランス感染症

犬が感染するとくしゃみや鼻水など、風邪のような症状が出ます。また、目ヤニや皮膚の化膿が見られることもありますが、そのくしゃみの飛沫が人間にふりかかることで人間も感染します。症状は、犬と同様の症状と、膿瘍ができることがあり、重症化すると死亡することもあります。

ペットの糞尿を介して体内に入る事でうつる病気

●レプトスピラ症
●犬ブルセラ症
●リステリア症
●サルモネラ症
●カンピロバクター症
●エルシニア・エンテロコリティカ感染症
●仮性結核
●回虫幼虫移行症
●Q熱
●エキノコックス症

これらの感染症に犬がかかった場合、ほとんどの場合は無症状です。(リステリア症は脳炎や敗血症のような症状が出て、回虫幼虫移行症では食欲不振や下痢・嘔吐が見られることもあります)そのため、犬がこれらの感染症にり患していると気が付かないままに人間にうつって発症した時は、そのほとんどのもので風邪や胃腸炎のような症状が出ます。

サルモネラやカンピロバクターは食中毒菌でもありますので、当然食中毒の症状が出てきます。おなかがいたい、突然くしゃみや鼻水が出るような場合は、動物の糞尿に触った経験はないかなどと、手洗いの有無などを思い出しておき、人間の医療機関を受診する際に医師に伝えましょう。特に乳幼児がペットの糞などから回虫幼虫移行症に感染した場合には、目や脳、肝臓といった機能に障害が出ることもありますので要注意です。

濃厚な接触でうつる病気

●皮膚糸状菌症

犬も人間も円形に脱毛したり、フケが出たりします。頭皮以外の皮膚にも異常がみられて痒みがある場合がほとんどです。子供の場合は特に、襟首や足元などペットと接触しやすい場所によく症状が出ます。

マダニを介してうつる病気

●SFTS(重症熱性血小板減少症候群)

ニュースでも一時期大々的に報じられたのでご存知の方も多いと思いますが、SFTSを発症した犬の血をすったマダニがウィルスを保持し、媒介となって人間の血をすう時に移されます。犬の場合には、感染すると発熱して食欲不振などになり、人間の場合でも発熱や重症化すると死亡に至るケースもあります。

症状に気付いた場合にどうすればよい?

もしも、犬に何かしらの病気の症状がある、または犬には症状がなくても人間に何らかの症状が出た場合、犬と接触した有無や、接触した際の出来事で感染しそうなことがなかったかなど、思い出して医師に伝えましょう。もしも感染を疑うことがなかったにしても、もしもペットを飼っているのであれば、それもきちんと伝えましょう。

どれだけ注意を払っていても、犬に症状がなかったにしても、いつのまにか乾燥したウィルスが口から入っていないとも限りません。素人判断せずに、医師が正しい診断をするための情報はかくさずに伝えましょう。

日ごろからかかりつけ医をもって置き、家族構成やペットの有無、どんなペットを飼っているのか、過去にどういう病歴があるのかなどを知っておいてもらうと、いざ何らかの症状が突然出ても、重症化する前に怪しい病気に気が付いてもらいやすくなると思います。

感染を防ぐために注意すべきこと

手洗いうがいは、人間同士の感染予防にも大事なことですよね。ワンちゃんからの感染についても、もちろん同じことが言えます。

動物を触ったあとには必ず手洗いをする、いくら愛している家族とはいえ、キスや口移しでの食べ物のやり取りは避ける、もちろん食器も別のものにする、舐められた場所は丁寧に掃除する、排せつは決まった所でしてできるだけ早く片付ける、片付ける時も排泄物に直接触らないように気を付ける、マスクをして掃除を行うなどの基本的な予防はしておきましょう。

そしてできればあまり濃厚な接触は避けた方が良いことは、厚生労働省も周知しています。もちろん、普段の愛犬の様子もしっかり観察し、体調を崩したらすぐに病院で診てもらいましょう。そして体を清潔に保ってあげてくださいね。散歩から帰ってきたらマダニのチェックやシャンプーなども丁寧にしてあげましょう。それが結果的に人間にとっても感染を防ぐ最大の予防となります。

ペットと一緒に寝ているまたは、ペットと一緒に寝たいという方は、こちらも参考にしてみてくださいね。

犬から人にうつる病気ってあるの?一緒に寝てるけど・・・

 


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