愛犬が「ヘルニア」と診断され手術の必要に迫られたら。
種類や程度によっては高額な費用がかかる手術をすぐにでも受けないと!ということもあります。
その手術費用や手術後はどうなるのでしょうか。

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高額になる犬のヘルニアの手術、その費用とその後のリハビリはどうなる?

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愛犬がヘルニアと診断されたら、手術が必要?!

複数ある、犬のヘルニアの種類

ヘルニアは体のどこかの壁に穴が開いた、その穴から内側にある組織が出てきてしまっている状態を指します。
犬のヘルニアには後天的になりやすいもの・先天性のものなどいくつかの種類があり、比較的よく聞かれるものでは

  • 鼠径ヘルニア
  • 臍ヘルニア(出ベソ)
  • 食道裂孔ヘルニア
  • 会陰ヘルニア
  • 椎間板ヘルニア

などがあります。

種類や状態によって手術の必要性は変わる

ヘルニアでは、種類や症状・状態によって手術の必要性なども変わってきます。

臍ヘルニアや鼠径ヘルニアでは、腸やその他の臓器がヘルニア部分にはまり込んでしまい腸閉塞などに至れば緊急手術に。
しかしそういった緊急性がなければ、手術はせずに様子を見るという判断になることも少なくはありません。

しかしこれが椎間板ヘルニアであると、神経を圧迫して強い痛みやマヒで歩けないといった症状があり、排便・排尿困難といったことも起こります。
こうなった場合には手術を勧められることが多く、状態によっては受診した晩に緊急手術になったというケースも。

椎間板ヘルニアは5段階のグレードに分けられ、3以上に該当すると判断された場合には手術を勧められることが多くなります。
状態によっては、投薬などによる内科的な治療で様子を見てから、という判断になることもあります。

ヘルニアの手術、費用や治療期間は?

ヘルニアの手術費用は50万円ほどになることも

臍ヘルニアや鼠径ヘルニアでは、それそのものが緊急性のある状態に陥らなければ、避妊手術などと合わせて行なわれることも多くあります。
鼠径ヘルニアのみでの手術となった場合には、だいたいの相場感として5~10万円ほどと言われることが多いようです。

一方で椎間板ヘルニアの場合では、20~50万円などと高額になることが多いよう。
これは手術前後の検査なども多いことが理由としてあり、例えばCTやMRIはそれだけでも3~5万円ほどはするのだとか。

アイペット損保による「2017年ペットの傷病ランキング」では、その平均診療費は329,451円。
同ランキング内でももっとも高額であるという結果に。

今回の椎間板ヘルニアは、全て私が治療費を出しています。
7月の発症から治療手術リハビリとすでに軽四輪新車で買える位かかっております
保険の必要性を思い知らされました

引用「ダックス♀美人・チワワ♀おちゃめ との生活♡♡♡

椎間板ヘルニアでは入院期間も長期に

特に手術費用が高額になる椎間板ヘルニアでは、手術そのものだけでなく検査やその入院期間の長さによって治療費が増えていく傾向があります。

ヘルニアを起こしている部位を特定しなければならないため、CTやMRIのほかX線検査などが必要になります。
さらに全身麻酔下での手術となることもあり、血液検査なども必要。

そうした時点でも、手術費用は上がっていくのですが、椎間板ヘルニアの場合には入院が長期化することもあり、結果的に費用も高額に。

手術後3日程度は安静が必要ですし、そのうえで自力でオシッコができるようになれば1週間ほどの入院で済むといわれます。
実際には4~5日程度で退院できたケースもありますが、数週間~1カ月ほどの入院が必要になるケースも。

手術は術前術後の処置を合わせて2時間位
11/16に手術をし11/20退院

引用「hy2525deのブログ

 

3箇所のヘルニア。そのうち1箇所は、カナリの脊髄圧迫が起きている
グレード5
4月15日に発症。16日に入院。18日に手術。退院は5月13日。

引用「教えて!goo

ワンちゃんの年齢や回復力、ヘルニア自体の程度にもより入院期間は長引くことも珍しくないようです。

ヘルニアの手術はペット保険で賄えることも

先天性や遺伝性の疾患では補償の対象外となってしまうことも多いペット保険。
ミニチュアダックスなどは椎間板ヘルニアになりやすいことから、補償の対象外とされている保険もあります。

とはいえ、PS保険やアニコム、アイペットなど、保険によっては補償対象になっているところもあります。
費用が高額になることもあり、なりやすいとされている犬種の場合にはその点も踏まえて保険を検討すると良いでしょう。

再発しやすい病気でもあるため、かかりやすい犬種の飼い主さんはそれも踏まえて保険に加入しているという人も多くいます。

手術は安全?手術をするとどうなるの?

手術のリスク、大きくは麻酔と合併症

手術のリスクとしてもっとも大きいのは全身麻酔。
肝臓が悪いワンちゃんの場合には何らかの後遺症が残る可能性もあります。

椎間板ヘルニアの場合であれば、手術を勧められる段階まで来ていても、手術による回復率は90%以上と言われます。
しかし後ろ脚が完全にマヒしてしまい動けない「グレード5」「レベル5」などと呼ばれる段階では、その回復率は60%ほどにまで下がってしまいます。

また手術自体は成功していても、マヒが残ったりと「完治」とは言えない状態が後遺症として残ってしまうこともあります。
再発の可能性も少なくないために、ワンちゃんの年齢や体力などにもよりリスクも踏まえた決断が必要になりますね。

また椎間板ヘルニアでは手術後に「進行性脊髄軟化症」という合併症により亡くなってしまうケースも。
全体では3~11%、特に後ろ脚が完全にマヒして動けなくなってしまっていた場合に発症しやすいと言われています。

椎間板ヘルニアの手術後はリハビリが必要

椎間板ヘルニアの手術後、多少マヒの残る様子ながらも元気に4本足で立ち歩いたり走ったりできたという子もいれば、退院はできたもののその段階では立っていることもできなかったなど手術直後の状況はさまざま。

退院後はそれぞれの状態に合わせた内容で、早い段階からリハビリ治療が始まります。

マヒしてしまっていた部分の機能の回復のために、ハーネスなどを利用しての散歩やプールを利用したもの、鍼治療などがリハビリとして取り入れられています。

また退院したばかりのころには排泄のコントロールができず、しばらくはオムツが手放せなかったという話も。
リハビリのほか、手術後はそうした介助が必要になります。

手術をしないという選択肢もある

鼠径ヘルニアなどでは状態によって経過観察となることもありますし、避妊・去勢手術などとあわせて済ませてしまうということも多い手術。

椎間板ヘルニアでは、早い段階で見つかった場合や症状が軽い場合にはステロイドなどの内科的治療で様子を見る、鍼治療など別の方法で治療をすることもあります。

内科的な治療の場合には4~6週間程度、投薬と合わせ「ケージレスト」と呼ばれるトイレなどの時間以外は安静にさせる方法をとります。
これにより軽快することもありますが、手術より再発の可能性は高め。

高い治療効果が期待できるうえ手術よりもワンちゃんへの負担が軽く、内科的治療のような副作用の心配がないとして、鍼治療を選択肢として検討する飼い主さんも増えているようです。

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費用と合わせて、愛犬に合わせた治療法の選択

ひとたび手術となると、椎間板ヘルニアでは費用も高額に。
その他のヘルニアでも、それなりにまとまった手術費用が必要になります。

いざというときに治療法の選択ができるよう、対応が可能なペット保険に入っておいたり、鍼治療などが通える範囲で受けられるかなど確認しておきたいですね。

 

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