ワンちゃんの様子が普段と違う。よく見てみたらご飯を吐いたような痕跡が!ということがあるかもしれません。ワンちゃんがただご飯を吐き出してしまったというならそんなに心配することはないかもしれません。しかしそれに震えが伴っていると危険な病気の可能性も・・・。ワンちゃんが嘔吐する原因にはどのようなことが考えられるかどんな病気の可能性があるのかとともに解説していきます。

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ワンちゃんの吐くことに関する知識

ワンちゃんが吐いてしまうとつい心配になってしまいますよね。しかしワンちゃんにとって吐くという行為は割と頻繁に見られるもの。子犬のときは「この餌は不味い」という理由で吐いてしまうこともあります。では吐くという行為はどのようなときにするものなのでしょうか?

ワンちゃんが吐いてしまう要因

ワンちゃんが吐いてしまうのにも様々な原因が考えられます。
空腹、食べ過ぎ、不安感(恐怖感、ストレス)、消化不良、乗り物酔いなどは生理現象として起こることなので何か病気を疑う心配はありません。しかし、中毒症状、ウイルス性腸炎、細菌性腸炎、寄生虫症、内臓疾患、感染症で嘔吐してしまった可能性もあるのできちんとチェックをしてあげましょう。

嘔吐したあとにぐったりとした様子のとき、下痢をしたり熱が出ているとき何回も嘔吐してしまうときや嘔吐物に血の混じっているときは病気にかかっている可能性がかなり高いです。すぐに動物病院へ連れて行き、診察を受けてください。

ワンちゃんが吐く前兆

ワンちゃんは吐く前に舌を執拗に舐めたり、えずく行為をすることがほとんどです。もしワンちゃんがそのような行為をしている場合には嘔吐の前兆ととらえて、口の下の位置にタオルやティッシュを敷くなどしておきましょう。

嘔吐後の対処法

ワンちゃんがなんらかの病気により吐いてしまった嘔吐物には細菌が含まれています。そのため直接手で触ることのないようにしてください。ワンちゃんが吐く前に事前に下にものを敷いていた場合はそのまま包んで個別の袋に入れます。そのまま床などに吐いてしまった場合でも同じくティッシュなどで包むか、ビニールの手袋などで掴み、袋に入れておきます。そして病院へ連れて行くときにその袋も一緒に持っていき、ワンちゃんと一緒に診てもらいましょう。

また、嘔吐をしたあとは絶飲、絶食を心がけます。病気とは関係ない嘔吐であれば少しずつ量を増やしてあげてワンちゃんが吐かないような手伝いをしてあげます。なんらかの病気の可能性がある場合には獣医師さんに診てもらい、その症状により最善の対応を教えてもらえます。それまでの間は口の中にものを入れないようにしてくださいね。

嘔吐だけはなく震えも!

ここまで吐くことに関する基礎的な知識を見ていきましたが、それに加えて震えがある場合はどのような原因が考えられるのでしょうか?ワンちゃんが震えるしぐさをするのはどういう場合か、「嘔吐」そして「震える」という症状が見られる病気を挙げていきます。

ワンちゃんが震える要因

ワンちゃんはストレスにより心に負荷がかかると自分を安心させるために「カーミングシグナル」という行為をします。カーミングシグナルにはあくびをする、伏せる、鼻を舐めるなどがあり、震えるという行為もこのうちの1つです。

落ち着けるセーフティエリアがなく、寝るところも一定でないワンちゃんや警戒心がとてもつよいワンちゃんなどは頻繁にカーミングシグナルを出します。それでも状況が改善されずにストレスが掛かり続けると心の病気になってしまうのです。
このようになってしまうとなにか大きなストレスがかかる度に震えるだけではなく吐くという症状が出てくるケースがあります。

感染症にかかっている可能性

感染症は気付かぬうちにかかってしまうため、その原因がわからないことも多々あります。感染症のほとんどはワクチンにより防ぐことができるため、定期的なワクチンの接種が求められます。感染症の中でも代表的なものを2つご紹介します。

ジステンパー
初期症状として高熱が出ます。続いて嘔吐、下痢、肺炎など、消化器系や呼吸器系が異常反応を起こしてしまいます。進行して神経に到達すると震え、けいれんという症状が現れます。子犬やシニア犬など、体力がなかったり免疫力の低いワンちゃんが感染しやすく、症状が長引くと死亡率が高くなると言われています。

犬伝染性肝炎
イヌアデノウイルスという名のウイルスに感染し、肝臓に炎症が出ます。無症状のケースもあれば、感染した日に死に至るケースもあります。症状としては食欲低下、高熱、震え、嘔吐、下痢など様々なものがあり、飼い主さんが風邪と勘違いしてしまう場合もあります。
また、病気が治ってもウイルス自体は肝臓で半年程生きるため、他のワンちゃんへ感染してしまう場合もあり注意が必要です。

中毒症状

食べ物による中毒から殺虫剤などの薬品による中毒まで多くの種類が存在します。その中毒のほとんどに震えと嘔吐の症状がみられます。その他の症状としては目の充血、下痢、過度な興奮状態になるなどが挙げられますが、個体差や中毒によっても症状は様々です。

また、中毒症状の原因の多くは誤飲や、ワンちゃんに与えてはいけない食べ物を飼い主さんが与えてしまうというものです。これは飼い主さんが気を付けることにより8割を未然に防ぐことができます。ワンちゃんに良くないと言われているものはできる限り、ワンちゃんの届く範囲に置かないように心がけましょう。

また、誤って飲み込んでしまった場合、命に関わってしまったり後遺症となる可能性もあるため、できる限り早く獣医師さんに診てもらってくださいね。

消化器系の異常

胃潰瘍、急性胃炎、急性膵炎などの消化器系の病気となった場合、吐くと震えるといった症状が同時に出ます。それぞれの症状は下記です。

胃潰瘍
食欲不振や吐血といった症状が見られます。胃潰瘍になってしまうと胃酸の力を抑えるために投薬治療をしたり、溶けてしまった部分を切除することになってしまう場合もあります。

急性胃炎
震える際にうずくまったり、水を飲んでは嘔吐するという行為を繰り返し行います。嘔吐とともに吐血をしたり、脱水症状に陥ることもあります。中毒症状とも関連していますが、異物の誤飲をしたことで発症するケースがほとんどです。

急性膵炎
激しい腹痛や下痢が起こります。痛みで横になることができなかったり、ショック状態に陥ることもあります。肥満体型や脂肪分の多い食事、高脂血症が原因と考えられているため、そのようなワンちゃんには注意する必要があります。

泌尿器系の異常

病気としては膀胱炎、腎不全、腎炎などが疑われます。泌尿器系の病気に感染した場合、正常に尿を作れなくなり、全身に老廃物や毒素がまわってしまいます。そのため臓器が正常に機能しなくなり、嘔吐・下痢・震え・けいれん・食欲不振など様々な症状が現れます。

加齢や細菌感染などで泌尿器系に異常がでた場合は、早期に発見して治療をする必要があります。それぞれ病気が悪化し尿毒症となってしまうと治療が不可能となり、早ければ数週間で死に至ると言われています。

嘔吐、震えが原因で起こる様々な病気を見ていきましたが、どれも病状や進行度合いによっては命に危険をもたらす可能性のある病気ばかりです。少しでも疑われる症状が出ているようでしたら迷わず獣医師さんに診てもらうことをおすすめします。発見が遅れると治療でよくなっても後遺症になってしまったり他の病気を併発してしまう恐れもあります。中毒症状など、飼い主さんの管理次第で防げる病気もありますのでワンちゃんを守るためにも予防や早期治療をしてあげてくださいね。


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