犬を飼うと、避けては通れない道が去勢の問題です。きちんと管理ができるなら去勢をしないという選択もありだとは思いますが、発情期を迎えたときに対応できるか、万が一子どもができた時にきちんと責任を持てるかどうかが鍵になります。一般の家庭でペットとして飼うなら、去勢する方がいいかもしれません。では、去勢ってどんな方法でするの?費用は?何歳までに?術後、性格が大人しくなると聞いたんだけど…こうした疑問に、ひとつずつお答えしていきます!

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犬の去勢って何をする?

去勢をする、とは、生殖器の一部であるオス犬であれば睾丸部分、メス犬であれば卵巣や子宮を取ってしまい、生殖できなくすることを指します。
もともとはオス犬の場合は去勢、メス犬の場合は避妊と呼んでいたのでその表記を使っている場合もありますが、広い意味では、生殖器を取る事となりますのでどちらも当てはまります。
動物病院に依頼し、手術で取り除いてもらいます。
手術と聞くと恐ろしい感じがするかもしれませんが、時間としては、オス犬であれば20分ほどで簡単に取れるものになります。
ただし、睾丸が正常位置にない場合などは、開腹手術になる場合もあり、時間がかかる可能性もゼロではありません。

メス犬の場合は取る範囲が大きいことからも、時間は1時間ほどかかるようです。

どちらも全身麻酔をして行いますのでそれなりのリスクも伴いますし、術前の検査や、術後の経過を見る等でしばらく動物病院へ預けられる事もありますので、それぞれの病院で実際にどう進めるのかを相談し、確認する必要があります。

去勢の手術は、全身麻酔で行われます。オスは精巣と精巣上体が納まっている睾丸を摘出します。包皮と陰嚢の間の正中線の上を1~1.5cmほど切開し、ここから摘出するのです。手術は1時間前後、日帰りから1泊のスケジュールで行われます。

引用:教えて犬ノート

なんのために去勢するの?

去勢するにあたっては、様々なメリットやデメリットがあるのですが、まずは、本来、不幸な子犬を減らすためだという事は知っておいてください。
オス犬は、本能的に発情期のメス犬がいると興奮し、飼い主にとっては困った行動をとりやすくなります。

もちろん、飼い主がきっちり管理し、他のメス犬に接触させない100%の自信があり、実行できれば去勢する必要も減ってくるのですが、なにぶん本能のなせるわざですので、ちょっと目を離したすきに・・・という事もなくはないのです。

そうやって産まれた子犬に関しても責任をもって飼育できる、あるいは飼い主を探せるのであれば良いのですが、残念なことに、一部の飼い主に無責任な人がいて、飼育できずに捨ててしまう事もあるのは、ニュース等でご存知かもしれません。

一昔前には今ほど管理されていなかったため、野良犬も多く、放し飼いの犬も多かったため、不幸な子犬が多く産まれ、問題視されてきたという背景もあります。

ただ、現代の管理下に置かれた犬達でも、同様の問題は起こり得ます。
発情期に入ると、本能により、普段おとなしい犬だとしても攻撃的になるなど、どうしても飼っている人間にとっては困った行動に走りやすいのです。

さらに、現代ならではの、人間と暮らすペットとしては困った行動の一つである「マーキング」(片足を上げて高い所へおしっこするという行動)を減らす事ができる、あるいは成長してからかかる事の多い生殖器のガンなどの病気を予防できるという観点なども加わり、去勢をした方が良いと勧める動物病院は多いのです。

犬の去勢をする時期はいつ?

去勢、避妊のタイミングは、オスとメスで異なりますが、どちらも性成熟を迎える前がベストだと言われています。
不健康ではない体を手術によって切るという大きな負担を愛犬にかける事になるのですから、せっかくなら最適な、様々なメリットを十分に活かせる時期に行いたいですよね。

犬の去勢は生後1歳くらいまでの間に

オスは生殖能力が完成する前の、生後6カ月から1年までの間。
メスは犬種によって異なり、小型犬なら早くて生後4カ月から8カ月まで、大型犬なら生後6カ月から14カ月までの間になります。
この頃はまだ体も小さめで、十分な大人には見えません。まだこんなに幼いのに手術をするなんて…と抵抗を感じる人もいるかもしれません。実際、なぜこのタイミングがベストと言われているのでしょうか?

発情が始まると、猫では大きな声で鳴き続け、外出したがり、尿をかけたりします。犬では、メスは外陰部からの出血があり、オスは遠吠えをし、あなたの指示を無視して逃亡やケンカをします。発情に伴うケンカや交通事故は、犬猫とも後を絶ちません。
これらの行動の変化はすべて、発情に伴う性ホルモンに支配されたもの。ワンちゃん、ネコちゃんを責めることはできないのです。従って、去勢・避妊手術をおこない発情をなくすことで、発情に伴ったストレスやトラブルから、あなたのワンちゃん、ネコちゃんを守ってあげることが可能になるのです。

引用:ベッツアニマルクリニック瀬戸

 

犬種やサイズ、個体により差がありますが、ワンちゃんのメスの発情(ヒート)は、生後6~8ヶ月くらいに初めて起きます。小型犬に比べて大型のワンちゃんのほうが遅く、その後も小型犬は5~7ヶ月くらいの周期で年に2回、大型犬は8~12ヶ月くらいの周期で年に1回以上発情します。
いっぽう、オスの生殖能力が完成するのは生後1年くらい。やはり、小型犬に比べて大型のワンちゃんのほうが遅めです。オスに発情期はありません。発情中のメスの匂いに誘われて、オスはいつでも交尾可能なのです。発情したメスの匂いは2kmあまり届くといわれます。受精したメスは、62~63日で出産します。

引用:教えて犬ノート

つまり、メス犬の発情期が始まるとさまざまな危険性も出てきますので、オス、メスそれぞれ、生殖機能が完成する前に去勢をしておいた方がより良いという事になります。
発情に関係する暴走での交通事故などの危険や怪我は、確かに避けたいですよね。

去勢時期は早い方が良いというわけでもない

犬の飼い始めた時期が子犬なら、前述したとおり、1年くらいまでの間で発情前が適した時期にはなりますが、それ以前に行うと、骨や関節に悪影響が出てしまうようです。
まだまだ体の機能が未熟な赤ちゃん犬に手術を行おうとしても、高い技術が必要になりますし、それだけリスクも高まります。

一方、飼い始めた時にすでに一歳を超えていたらどうなるかというと、もちろん手術ができないわけではありません。
多少最適の時期がはずれる、というだけであって、不幸な子犬が産まれなくなるのはもちろん、他のメリット部分でもそれなりに効果はあります。

ただ、マーキングをやめさせたい、発情したメス犬を追い掛け回すのを完全にやめさせたいなどの希望がある場合は、できるだけ早い時期にするのが良いという事になります。
もちろん、それらの行動が今出ていないのであれば、問題行動を覚える前に手術するのが最適な時期という事になります。

去勢時期が遅かったらどうなる?

飼い始めた時期が遅かったとか、去勢自体を迷って決断を後回しにしてきた場合も、適性時期を超えていた、という可能性がありますよね。

ちゃんと躾や管理ができていて、飼い主さんも、周囲の人も問題を感じていないのであれば良いのですが、なんらかの問題をあとになって感じるようになり、去勢を考える事もあります。

犬の年齢が既に3歳や4歳になっていた場合でも、まだまだ体力的には手術に耐えられる若いうちと言えますので、手術自体は可能だと思われます。
また、老犬になった場合も、通常の病気の手術同様と考えれば不可能なものではありません。
適性時期を超えたという意味では遅いのですが、手術の効果がほとんど出ない、あるいは手術を行っても意味がないほどの遅れではないうちに行いたいものとなります。

ただ、問題を感じたので去勢を考えたという場合、去勢をする事によってその問題が解決できるとは限らないという事があります。

マーキングの癖がしっかりできてしまってから去勢したとしても、なかなかそれがホルモンのバランスで本能的にパタッとやむかというと、そうではありません。
もちろん、中にはそういった事例もあるようですが、今までの癖の度合い、犬の性格などにもよるようです。

遅すぎると内分泌疾患のリスクが高まります。内分泌疾患以外にも喧嘩や吠えかかり、マーキング等をしてしまうことがありますよ。他にも「停留睾丸」「肛門腺周囲腫瘍」「会陰ヘルニア」「精巣疾患」「前立腺疾患(良性)」等を引き起こしてしまうリスクがあります。

引用:pepy 犬の去勢手術、時期はいつ?費用、術後は?性格が変わる?

とあるように、かえって病気のリスクを高める危険性もありますし、犬種や体格、それまでの病歴によっても個々でリスクが変ってきますので、動物病院のかかりつけのお医者様とよくよく相談して決めるのが良いと思われます。

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かかる費用は?

オスの去勢費用でだいたい1.5万円から3万円ほど、メスの避妊治療でだいたい2万円から4万円ほどです。この金額は、犬の大きさによって少しずつ異なります。また地方によっては、市が去勢・避妊治療の一部を負担してくれるところもあるようです。
しかし、ペット保険は去勢手術に関しては適用されない場合がほとんどです。

犬の去勢手術にかかる費用は、サイズや病院によって大きな差があります。手術方法によっても値段が異なりますよ。ポイントになるのは「術中点滴」「術前検査」「注射麻酔により気管挿管」「術前検査と術後点滴によるバランス麻酔」「気管挿管による吸入麻酔の維持」などです。手術方法については獣医さんにきちんと確認することがおすすめです。

引用:pepy 犬の去勢手術、時期はいつ?費用、術後は?性格が変わる?

とあるように、病院によっても大きく差があるようですので、近くの病院のホームページを確認したり、電話で教えて貰ったりして、納得のいく値段、手術方法の所を選ばれると良いでしょう。

流れや日数は?

だいたいどこの動物病院でも、次のような流れになります。

前日夜から断食(開始時間は、翌日の手術時間によって異なります)
術前検査(血液検査など)
麻酔・毛刈り・消毒
手術
術後(麻酔が切れるまで経過観察)
お迎え(オスの場合、その日の夕方ころに連れて帰ることも可)
抜糸(約1週間後)

なお、避妊手術は全身麻酔を行なうため、心不全などをひきおこし、眠ったまま息を吹き返さず亡くなってしまう事もあるのです。その危険性がゼロではないことを心得ておきましょう。

しないとどうなるの?

去勢をせずに生殖器をそのままにしておくと、病気が発生する可能性が高くなります。去勢では、そのようなリスクを減らすことができるのです。

生殖器(卵巣・子宮・精巣・前立腺など)の病気の発生は、犬猫共、年齢とともに増加します。中には子宮蓄膿症や生殖器の悪性腫瘍のように緊急に手術をおこなわなければならない場合もたくさんあります。また交尾行動により感染する犬の可移植性性器肉腫やネコのエイズ感染症などの恐ろしい病気もあります。
これらの病気は、去勢・避妊手術をおこなうことにより生殖器自体がなくなるため、病気の不安を減らすことが可能です。近年、メス猫では最初の発情前に避妊手術をおこなうことで、悪性の乳腺腫瘍になる確率がほとんどなくなるとも言われています。

引用:ベッツアニマルクリニック瀬戸

去勢後ここが変わった!犬の性格など

去勢をすると、犬の性格や体質が変わったという話をよく聞きますが、どのように変わったのでしょうか?実際に、犬に去勢手術をさせた飼い主の口コミを見てみましょう。

食にこだわりがあり、食べむらがあったのですが虚勢手術をしてから、食欲がいっきにふえ何でも、おいしく食べる子になりました。あと、やっぱり、やんちゃだったのが大人しくなりました。お出かけも大好きでしたが、それも普通くらい感じるようになりましたね。
もう1匹は避妊手術前は、フレンドリーで人間大好きで自分から、知らない人でも尻尾をふって 遊んで~と行く子でした。それが、知ってる人にしか甘えなくなりましたね・・・知らない人が近づくだけで嫌がるように・・・・

引用:Yahoo!知恵袋

マーキングがパッタリなくなりました。手術前まではあちこちにチョコチョコしていたのが、術後帰ってきてからその日からもうしなくなってました。片足をあげるようになる前に去勢したのでタイミングがよかったのかもしれないですね。

引用:Yahoo!知恵袋

このように、明らかに変わったという子もいれば、全く変わらないという子までさまざまなようです。

特に直前直後で変わった事はないです。私が去勢したのは生後半年ぐらいですから、まだまだ落ち着きのない時期でしたから。今はすっかり性格も落ち着きましたが、それが加齢によるものか去勢によるものなのかはわかりません。

引用:Yahoo!知恵袋

うちは メス ラブラドールレトリバー、オス プードル 飼っており、二頭とも去勢してます。手術は幼いころにしたほうが、若い状態が保てるようです、性格は変わりませんでしたよ!後ホルモンバランスが変わることですが、これは飼い主の管理しだいです。餌は、規定量で与えすぎず、運動はしっかりと。人間と一緒ですよ!毛質も餌次第です。

引用:Yahoo!知恵袋

三代目、四代目、当代五代目、と去勢しましたが、性格が変わった犬はいません。マーキングもバリバリやってます。ベタベタ甘えます。おもちゃでガンガン遊びます。発情雌に反応しなくなっただけでした。何て事はありません。変わりません。エリザベス・カラーが取れたらいつもの通りです。

引用:Yahoo!知恵袋

性格は一切変わりませんでした”“唯一変わったことと言えばマーキングがほとんどなくなったことでしょうか。そして室内での変化は全くありませんが外に出た時に他の犬の匂いに敏感に反応していた面が穏やかになりました

引用:Yahoo!知恵袋

実際に、動物病院のサイトでは「性格は変わらない」といっているところもいくつかあります。

 

Q性格が変わる?
A女の子…男の子みたいに凶暴になる? 男の子…おとなしくなる?誤解です。手術をしたことによる性格の変化はほとんどありません。術後に家族が構いすぎたり、対応を変えてしまったりすることが原因である場合がほとんどです。特にオスの場合、攻撃性やマーキングの癖、マウンティング行為などを無くすことを期待して去勢手術を希望される場合がありますが、問題行動が軽減される可能性が多少ある程度です。

引用:ライフ動物病院

たしかに、術後で体が万全でなかったり、家族が心配して構いすぎてしまったために、一時的に性格が変わったように感じることもあるかもしれません。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。去勢手術のことを少し知っていただけましたか?現代の日本社会のなか、ペットの去勢は義務ではありません。たしかに去勢をする家庭は数多くありますが、それで本当に後悔しないのか、よく考えてみることも必要です。納得のいく答えを出して、愛犬との生活をこれからも楽しんでくださいね。

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