旅行・出張など飼い主がお世話ができないときに、宿泊だけでなく短い時間の一時預かりといった形でペットを預かりお世話をしてくれるペットホテル。
散歩や食事にとどまらず、トリミングなどさまざまなサービスを提供しているのも魅力。
そんなペットホテルの上手な利用方法とは?

ペットホテルってどんなところ?

一般社団法人ペットフード協会の行なった2016年全国犬猫飼育実態調査によれば、犬・猫の飼育頭数は全国で、1,972万5千頭。
さらに、厚生労働省によれば2015年度の犬の登録頭数は、都道府県別で 1位の東京都だけでも519,061頭。

これに対し、iタウンページでペットホテルを検索すると 5,595軒、犬の登録頭数最多の東京都に絞っても 527軒のペットホテルが見つかります。
iタウンページに掲載されている軒数でいえば、全国にあるカレー屋さん(4,947軒)よりも身近にあるペットホテル。

ではペットホテルとはまず、どのような施設なのでしょうか。

さまざまなサービスが魅力のペットホテル

ペットホテルはその名の通り、ペット専用の宿泊施設です。
預かり動物は犬または猫というところが多く、少ないながらウサギ・フェレット・ハムスターといった小動物も対象となるペットホテルも存在します。

ペットホテル単体で経営されているところがあるほか、動物病院、トリミングサロンやペットショップ、空港に併設されているホテルもあります。
多くは数時間などの日帰り一時預かりから宿泊まで対応しています。

一時預かりの利用例としては、買い物中の 1時間単位での預かりや、長時間のお留守番、夏場など体調面でお留守番させるのが心配なときが挙げられます。

また、行政的な観点では、動物愛護管理法の規定により第一種動物取扱業(保管業)の登録を行ない運営されている施設でもあります。

サービスはホテルによってさまざまで、散歩や食事といった基本的なお世話の他、トリミング・健康診断・しつけなどの付加サービスを受けられたり、ライブカメラ中継サービスなど滞在・宿泊中のペットの様子を知ることのできる飼い主さんに嬉しいサービスを行なっているところもあります。

ペットホテルの利用の流れ

実際にペットホテルを利用する際は大きく分けて以下のような流れです。

1. 利用先を選んで予約をする
2. ペットホテルに預ける
3. お迎え

この 3つの流れをそれぞれ見ていきましょう。

1. 利用先を選んで予約する

ペットホテルを選ぶ基準は、飼い主さんとペットによりさまざまです。

移動のストレスを考慮して自宅の近くの施設を探したり、預ける当日の予定や都合に合わせて探す場合もあります。
また、必要としているサービスがあるか、環境など安心できるところかという選択基準もありますね。

事前見学や体験利用を受け付けているペットホテルもありますので、可能であればそれらを利用してみて検討することでより安心して利用できますね。

こうして利用するペットホテルが決まったら、ホテルのウェブサイトや予約サイトからのネット予約、または電話やメールで直接予約をします。

2. ペットホテルに預ける

ペットホテルによっては、送迎サービスを行なっているところがあります。
送迎サービスがない場合や利用しない場合には飼い主さんが直接ペットホテルまでペット連れて行きます。

ペットホテルに到着し預ける際には、ペットの現在の健康状態や食事量・排泄などを始めとした普段のペットの様子をスタッフに伝えます。
ホテルによっては専用のカウンセリングシートが用意されているところもあります。

滞在・宿泊中、ペットはスタッフのお世話やサービスを受けながら飼い主さんのお迎えまでの時間を過ごします。

3. お迎え

預けるときと同様、送迎サービスの利用または飼い主さんが直接ペットホテルへお迎えに行きます。

このとき気をつけるべきはペットの体調面です。

不慣れな環境で不安や緊張といったストレスを抱えていただけでなく、よその子たちと同じ場所にいたことでウイルス等に感染する可能性もゼロではありません。

また、感染等の心配がなくても、おうちに帰ってきてホッとして体調を崩してしまうということもあります。
お迎えの際はスタッフから滞在・宿泊中の様子をしっかりと聞いて、帰宅後は気をつけて様子をみていてあげると良いでしょう。

預けたペットに緊急事態!そのときは?

ペットホテルに預けたペットに起こる緊急事態として

  • 急病や持病の悪化
  • ケガ
  • 逸走、行方不明

といったことが考えられます。

何かあったときの対応はペットホテルによりまちまちですので、心配であればその際の対応方針などについて利用先に事前に確認をしておくと良いでしょう。

利用経験者の声でも、これらの緊急事態が起きたときに適切に対処してもらえなかったというトラブルがよく聞かれます。

明らかに体調を崩しているのに気づいてもらえなかったといったケースは論外ですが、何かあったときの対応方針や連絡体制など、利用前にきちんと確認をしておく必要がありますね。

また、スタッフの対応の様子や施設環境など、事前見学などであらかじめ飼い主さんの目で「安心して預けられるか?」をチェックしておいた方が良いでしょう。

ペットホテルのあれこれ

予防接種やワクチンは事前に!

ペットホテルにペットを預ける準備のひとつに予防接種やワクチン接種があります。
ペットホテルによっては、予防接種やワクチン接種の証明書を求められることもありますので、ペットの体調を考慮し早めに済ませておくのが良いでしょう。

ペットホテルではどう過ごす?

個別のケージで過ごしたり、ケージレスのところであればスタッフや他のペットとフリーな状態で過ごせるところもあります。
24時間体制でスタッフが見守るなどおうちに近い環境を目指しているホテルや、中には添い寝してくれるホテルも。

ドッグランを併設しているホテルで思いっきり運動したり、宿泊中しつけ教室に参加したり、トリミングできれいになったりと、ホテルの提供するサービスによって過ごし方もさまざま。

ワンちゃんだけでなく、最近はうさぎラン併設など、ペットにあわせた選択の幅も広がっています。
利用経験者の方には「普段より思い切り運動できて、うちの子はホテルが大好き!」と仰る方もいます。

せっかくですから、ペットにとっても嬉しいお泊まり体験にできると良いですね。

何を持っていったらいいの?

宿泊の際の持ち物として普段のフードやオヤツがありますが、手作り食のサービスがあるなどフードの持ち込みが不要なところもあります。
その他の持ち物としては、ペットのお気に入りのおもちゃやお気に入りの毛布など、ペットにとっての「おまもり」を持たせてあげると良いでしょう。

帰ってきたらどうしたらいい?

「帰ってきたのが嬉しすぎたのか、帰宅するなり大運動会が始まった」
「捨てられたとでも思ったのか、すっかりしょげてしまって・・・」
「あまりにも平常心で、ホッとしたやら心配になったやら・・・」

利用経験者から聞こえてくる「帰宅後のペットの反応」もさまざまです。
飼い主さんと離れて不安な思いをしたであろうペットのことですから、飼い主さんは心配ですよね。

利用経験者の方からは、帰宅後はなるべく「いつも通り」に接してあげるのが良いというお話をよく聞きます。
頑張ったごほうびとしてオヤツの大サービスをしたり、思い切りかまってあげたくもなりますが、かえって興奮させたり動揺させてしまうことになりかねません。

帰宅後のペットにとっては、「いつも通りの飼い主さん」と接することのほうが、スムーズに普段の生活に戻っていくことができるのでしょう。

しっかりチェック、上手に活用!

旅行や出張、自宅の建て替えなどさまざまな理由でペットのお世話ができないとき。
預かり先として実家や友人などにお願いできないときの選択肢のひとつ、ペットホテル。

利用するうえでは気を付けるべきことや事前に検討・確認しておくことなどもありますが、トリミングや健康診断、しつけなど、基本的なお世話以外のさまざまな付加サービスを利用できるのは何といっても魅力ですよね。

サービスや施設環境などしっかりチェックして、宿泊だけでなく長時間のお留守番が心配なときやお買い物中などの一時預かりサービスの利用など、シーンに合わせて活用したいですね。

 


スポンサーリンク

 

関連記事