ワンちゃんを迎える前に、犬種による性格や個性、しつけの具体的な方法を本やネットで勉強したという飼い主さんも多いはず。

けれども、勉強した知識をもとにいざしつけを始めたらちっともうまく行かず、すっかり自信を失ってしまうことも。そんなとき、一体どうしたら良いのでしょう?

本やネットで勉強したのに、どうして?

本やインターネットを見れば、ワンちゃんのしつけの方法はたくさんありますね。
本屋さんやオンラインショップを見ても、犬のしつけに関する本はありすぎて、どれを読めば良いのか分からなくなってしまうほど。

そんなたくさんの本の中から選び抜いて勉強し、準備はOK!
と、いざ本の通りにしつけを始めてみたら、書いてあるようにはうまく行かないということも。

そのたびにまた、別の方法を探してやってみて・・・の繰り返しで飼い主さんはヘトヘト。
ストレスのあまり、つい厳しく叱ってしまってドップリ自己嫌悪・・・なんてことも。

そんな難航するしつけを成功させるには、どんなことに注目すれば良いのでしょう?

このしつけ法、ホントに合ってるの?

「この本が間違っているの?」
「それとも、ワンちゃんのせい?」
「自分がダメな飼い主だからかなぁ・・・。」

しつけがうまく行かないとき、ついつい考えてしまうこと。

実はこのどれもが不正解かもしれませんよ。

「うちの子」は本やネットに載っていない

本やネットで得られる知識は、あくまで基礎知識。よその子のケースや、こういう方法でうまく行くワンちゃんが多いですよ、といったものです。

一方、人間にもいろいろな性格や個性がありますよね。理数系が得意な人、文系が得意な人、怒りっぽい人もいれば、どちらの仏様ですか?っていうくらい穏やかな人だっています。

同じように、ワンちゃんにも性格や個性があります。

気弱でおとなしいワンちゃん、遊ぶのが大好きで活発なワンちゃん、怖がりですぐパニックになるワンちゃん、いつでもドーンと構えて動じないワンちゃん。

先住犬がいる場合、先住犬のときはこの本の知識でうまく行ったのに!と思うこともありますよね。
でも先住犬は先住犬。今目の前にいるこの子は、世界に 2匹といないたった1匹のワンちゃん。

本やネットに載っているワンちゃんは、「うちの子」ではないのです。本の通りのしつけ方法でうまく行かないのは、その方法でうまく行ったのが「うちの子」ではないから。

悩みの種の原因は、案外たったそれだけのことかもしれませんよ。

基礎知識は大切、アレンジはもっと大切

本やネットに載っている方法でうまく行ったのは、別のワンちゃんだから。それでは、本やネットで得た知識は無駄なのでしょうか?

そんなことはありませんよね。

まったく何も知らなければ、ワンちゃんのしつけという問題を前に途方に暮れるしかありません。本やネットに載っている方法を試してすんなりうまくいくことだってあります。本やネットに書いてあるのは、少なくとも誰かがうまくできた経験のある方法ではあるのですから。

ポイントは、「うちの子」に合わせてちょっとしたアレンジをすること。
そのままでうまくは行かなくても、ちょっとした一工夫で「できた!」となることもたくさんあるのです。

ここが肝心!しつけ法

「うちの子専用」アレンジで乗り切ろう

では本やネットに書かれたそのままではうまく行かなかったしつけ方法、どうすれば良いのでしょう?

まずは愛犬の様子を見て原因を探ることが大切です。

例えば玄関のチャイムなどの音に反応して吠えている子に「お座り」「伏せ」などさせて静かにさせるという方法。
これが通じない子ももちろんいます。

「お座り」や「伏せ」自体はできるようになっているのに、なぜか音に吠えている時はできない。
このとき、ワンちゃんが音に吠えることに夢中になっていて、飼い主さんの言う「お座り」「伏せ」が耳に入っていないのだとしたら?

おもちゃなど痛くない程度のものを軽く当てたり視界にちらつかせてみたりしてワンちゃんの気を逸らし、「ん?」となっている時に「お座り」「伏せ」と声をかけてみるとどうでしょう?

気を逸らして飼い主さんの声が「耳に入る」状態にさえなればキチンとできた、という子もいます。

そんな風に、ワンちゃんの様子に合わせて本やネットには載っていないアレンジを入れることでうまく行くこともあるのです。

「うまく行かないなぁ」と思ったときには、ワンちゃんの様子をよく見てみましょう。
今、ワンちゃんはどんな様子ですか?

それによって、「うちの子専用」のアレンジが見つかるかもしれません。

(関連記事)しつけに悩むのはあなただけじゃないですよ。こちらも参考にしてくださいね。

※ 「叩くしつけ」はOKなの?「叩かないしつけ」って?

※ 突然できなくなっちゃった!犬のトイレ失敗の「なぜ?」

※ 噛んじゃダメ!愛犬の噛むクセ、上手なしつけの方法は?

どうしても、のときには「プロに相談」

動物病院でお世話になっている獣医さん。
いつも利用しているペットショップの店員さん。
もしくは、しつけ教室や個人で出張しているドッグトレーナーさん。

実は周りには、飼育経験や職業柄でワンちゃんのしつけに関する知識を持っている人はたくさんいるのです。

本を見てもネットを見ても、うちの子に合わせた工夫を考えられるかぎり試してみても、やっぱりどうしてもうまく行かないというときには、周りにいる「プロ」に相談してみることもひとつの方法です。

獣医さんであれば、いろんなおうちのワンちゃんを診察しますよね。
犬種も年齢も、飼育環境もさまざまです。
その中で、相談を受けた経験もあるでしょう。

ペットショップの店員さんであれば販売している犬の知識は勉強していますし、自分のお店から巣立ったワンちゃんの飼い主さんから飼育相談を受けることも珍しくはありません。

思い切って、しつけ教室に通ったりドッグトレーナーさんの出張をお願いするのも良いですね。

ドッグトレーナーはワンちゃんの訓練についてはまさにプロフェッショナル。
飼い主さんが気づかなかった、ワンちゃんの意外な個性を見抜いて目からウロコのアドバイスをしてくれるかもしれません。

飼い主さんが自分で本やネットで勉強をしてしつけをすることはとても大切です。
でも、本やネットで得た知識や自分で考えたことだけでしか、しつけをしてはいけないわけではないのです。

相談しやすい相手を見つけて、まずは相談してみましょう。
そうすることだけでも飼い主さん自身に余裕ができて気づくことが増え、しつけがすんなり行くようになることだってあるのです。

焦らず、ときには誰かに相談しながら

ある飼い主さんは、トリミングにあまり頻繁に連れて行ってあげられないから、せめて爪切りは家でできるようにと苦戦していました。どうしても嫌がって、なかなか切らせてくれないんですね。

そんな飼い主さんに別の飼い主さんがしたアドバイス。

「1日1本切れたら、18日あれば全部切れますよ」

「それはそうですけど!」と思わず笑ってしまいました(笑)

でも見方を変えれば、その18日を繰り返すうちに慣れてきたり良いやり方が見つかったりして、そのうち 1回に全部切らせてくれるようになるかもしれないんですよね。

しつけがうまく行かないとつい焦ってしまいますが、時にはプロや周囲の経験者に相談したりしながら、無理なくきちんとしつけができるとよいですね。


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