私達人間は、年齢を重ねてくると食事内容が変わってきますよね。例えば一般的に言われているのには、脂っこいものが食べられなくなる、消化のよいものやさっぱりしたものを好むようになる、といったことです。
ワンちゃんの場合はどうでしょうか?
実はワンちゃんだって、シニア犬になると食べるものに少し気を遣う必要が出てきます。
今回は、シニア犬になったら食事面でどの様な点に注意すると良いのか、それを踏まえて、老犬でも食べやすい手作りご飯のレシピなどをご紹介します。
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老犬のご飯、こんなことが起きてきます
ある日、ふと気づくとシニアになった愛犬がドッグフードを食べにくそうにしているなぁ、と感じたことってありませんか?
人間もそうなのですが、犬もシニアになると若い頃には平気だったことが難しくなり、体内の機能も衰えるため、味や食感などの食に対する好みが変わってくることもあります。こうした愛犬の変化に、飼い主さんが気が付き、何らかの対応をしていってあげたいものです。
でも、どんな点に注意したらいいのか、思いつかないかもしれません。そこでは、ここからは老犬にありがちなご飯に関する変化の内容と、それらの原因と対策を考えてみましょう。
食欲がなくなる
愛犬の食欲がないな、と気が付いたとしても、それが1~2日程度なら問題のないことも多いです。ところが、数日たっても改善しないで続いていくとなると、どこか病気なのかしら?と心配になりますよね。
老犬になると、若い頃に比べて内臓機能が落ちてきます。全体的な老化現象としては、新陳代謝の低下や、味覚・嗅覚が変化し衰えてくると言われています。年齢の変化とともに徐々にこうした変化があった場合には、いつものフードに香りがはっきりしているフードを混ぜてあげることで食欲が増すこともあります。
また、多くの場合には食べる量そのものが少なくなるので、効率的に必要な栄養素をとれるシニア用のドッグフードに切り替える、香りが立つようにぬるま湯をかけてふやかしたり、温めるなどしてからあげると食いつきが良くなります。
食べ物の好みが変わる
先ほど説明したように、シニア犬は嗅覚や味覚の感度が衰えてくるため、食べ物の好みも変わってくることがあります。味覚の感覚が衰えてくると、味がはっきりとしなくなってくるため、食欲の低下やよりはっきりとした味を好むようになります。
ここで、犬はもともと塩味を感じにくく、甘みを感じやすいという味覚の特徴があります。そのため、食欲低下がみられた場合には、サツマイモなどの甘みの強い食材をトッピングしてあげると、食いつきがよくなることがあります。
この様に、愛犬の好みの食材を色々と少しずつ試し、栄養が偏ったり不足することの無いように気を付けてあげてください。
食いつきがいいからといってあげすぎに注意
食いつきがいいと嬉しくなりますが、あげすぎてしまうと高カロリーになりがちなので、肥満にならないようにも注意してあげましょう。反対に、ハイシニアになると、全体的な食事量が減ってしまうため、1回分の食事カロリーを高くしてあげるなどの調整も必要になります。あくまでもワンちゃんの食いつきと体調や体重を考えながら様子を見てくださいね。
食事回数を見直す
シニア犬は、食事を消化する力が減ってくるため、1回の食事量を減らしで内臓の働きを助けてあげると、吸収が良くなります。そのため、場合によっては1日の食事回数を増やして、1回の食事量を減らす、というのも効果的です。
硬い物や大きなものが噛めなくなる
人間同様、犬も年老いてくると歯が弱くなってきます。以前は平気だった硬めのものも、シニア犬になると痛みを感じる、歯周病などで歯がもろくなる、筋力が落ちる等で、噛めなくなってきます。
若い犬に与えるような固くて粒の大きなカリカリドッグフードだと、犬が食べにくい可能性もあるので、シニア用や老犬専用のドッグフードに変えていく、お湯でふやかしてから与える、といった工夫をすると良いでしょう。
柔らかい食べ物に食事を変えていくというのも手です。例えば、豆腐を崩したものや茹でたササミを割いたものなどをトッピングし、少しづつ手作り料理に慣らしていき、そのうちタンパク質やビタミンを多く含む食材を柔らかくしたものをあげるようにするなどです。
食べる時に介助が必要になる
ワンちゃんも、老化がすすみ、寝たきりになるなどで自力で食事が食べられなくなる場合があります。そんな時には、介助が必要です。
ワンちゃんの体内では、内臓機能の衰えによって、消化酵素の分泌は減少し、解毒作用も衰え始めています。すると、ますます食が細くなってしまい、食べられる全体量が減ってきます。
その様な時には、市販の注射器などで液状にしたフードを口に流し込んであげる方法もあります。市販の流動食を与えるのでも良いのですが、ドッグフードをよくふやかしたり、手作りフードをお粥状にしても良いでしょう。
ご飯を食べさせるときは、できるだけ少しずつ与えます。ワンちゃんが嫌がるようなら決して無理強いはせず、慎重にあげましょう。もしも誤飲してしまうと、それが原因で病気になったり最悪のケースでは窒息してしまう可能性もあります。
頭を持ち上げ、しっかりかかえて優しくあげるようにしましょう。少しずつの量を回数を増やしてあげることで、必要な栄養分がとれるように気を付けます。
老犬のご飯注意点は?
老犬のための手作りフードを作る時の注意点は、次の5つです。
- ワンちゃんに必要なタンパク質を十分に摂るため、肉類の割合を多くする。鶏肉のささみや胸肉がおすすめ。
- 野菜はみじん切りにするなど細かくする。フードプロセッサーでピューレ状にしてもよい。
- 調理の際にビタミンなどが損失しないよう、長時間煮込まない、煮汁ごとあげるなどの工夫をしましょう。
- 塩分過多は心臓への負担となるので、塩分高めのものを与えるのは避ける。
- 認知症予防に青魚などを与える時には、骨をよく取り除くか、骨ごと細かくして食べやすくする。
手作りフードは、ワンちゃんの体調や体質、年齢に合わせて内容を調節できるのが良い点です。シニア犬になるまで手作りご飯を食べたことが無い場合には、お豆腐を少し上げるなどして、徐々に初体験の味や食感に慣れさせてあげましょう。
いきなり食事内容を切り替えてしまうと、どんなに良い食事内容であったとしても、内臓の準備ができずにお腹を壊したり体調不良になることがあります。あせらず徐々に慣らすようにしましょう。
そのうち、ワンちゃんが新しい食べ物に対して美味しいと感じ、安心できるよういなれば、食欲が増すこともあるようです。
老犬にうれしい手作りご飯のレシピ
老犬のために手作りしたい!と思ったら、こんなレシピはいかがでしょうか。
老犬にピッタリ!鳥もも肉と色々野菜のトマト煮込み
材料:20kg大型犬2匹×2回分
鶏もも肉:1枚
トマト缶:あらかじめカットされたもの1缶
セロリ:1/2本
にんじん:1/2本
水:適量
パスタ:適量作り方
鶏肉は食べやすい大きさに切る
セロリ、にんじんは細かく刻む
鍋にオリーブオイルを熱し、セロリ、にんじんを炒める
鶏肉を加えて色が変わるまで炒める
水を注ぎ、トマト缶を加える
材料に火が通りまで煮込む
パスタを茹で、煮込みをかけて犬に与える
抗酸化物質「リコピン」を多く含むトマトは、老犬の健康管理にはとても便利な材料なのだそう。鶏肉との相性も良いですし、トマト缶詰を買いおきしておくといつでもちょい足しできそうですね。
寝たきり犬におすすめ!かんたん流動食
おはようございますです💤
本日の特製高カロリードリンクはこちらですぅ~🐶 これを1日かけてチビチビ飲むですよぅ~🐾【材料】(345kcal)
無調整豆乳 200ml
ニュートリカル 20g
カロリーメイトブロック 1本
ドッグミルク 10g#秘密結社老犬倶楽部 pic.twitter.com/6YeVnSuhsq— ワタナベ☆ゴンパチ。🌈 (@Gonpachi_san) June 20, 2017
材料をジューサーやミキサーで混ぜれば、立派な流動食の完成です。
介助が必要なくらいのハイシニア犬には、栄養バランスと吸収の良さが大切です。材料にあるニュートリカルは、食事が食べられない時の栄養補助剤なのですが、やや高価でもあります。そこで、代用としてはDHAやEPAなどのオメガ3やオメガ6を含むごま油、コーン油、大豆油などをスプーン1杯入れたり、コラーゲンや葉酸を入れるなどしてもOKです。鉄分を入れると、貧血対策などにも有効ですよ。
作り置きできる栄養バランス満点ご飯
穀物も肉も野菜もたっぷりバランスよく入った、老犬にもピッタリなレシピになっています。簡単に説明すると、次のような内容です。
材料
ホウレンソウ、ニンジン、かぼちゃ、サツマイモ、キャベツが定番の野菜
ターキーももバラ肉、鶏砂肝、牛ももスライス、鶏手羽元、鶏胸肉
作り方
- 大きめの鍋に野菜から入れていき、水をたくさん入れる。
- 肉を入れていき、水にひたるようにする
- 強火にかけ、沸騰したら弱火にしてあくをとる
- コトコト4~50分煮込む
- 鍋にスープは残しておき、バットに具材だけ取り出す
- バットから肉を取り出し、細切れにする
- バットに残った野菜は手でつぶし、スープも適量入れ、ワンちゃんの食べやすい柔らかさにする
- バットに肉を敷き詰め、できあがり
- ラップで蓋をして冷蔵庫に入れておけば3~4日もつ
- 残しておいたスープにパスタか米を入れ、かなり柔らかくゆでる
分量は数食分あるので、仕事などで忙しくしている方にもおすすめな方法です。
胃腸に優しい野菜が入っているので、おなかが弱いワンちゃんも喜んで食べてくれそう。健康第一でごはんを作ってあげたいですね。
まとめ
今回は手作りフードレシピのご紹介と、作る時の注意点などをまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
愛犬が年老いていくのは寂しいことですが、食事を食べさせたり、介助はワンちゃんとの大切なコミュニケーションタイムと思って、楽しい気持ちで接してあげたいものですね。
この記事が少しでもワンちゃんと飼い主さんの喜びのもとになってくれれば嬉しいです。
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