愛犬が家の中で、一心不乱に床をカリカリと掘り続けている…そんなときはありませんか?声をかけると、ハッと気がつくのですが、これは一体何なのでしょうか?本能によるものなのか、なぜそのような行動をとるのか、また掘られて困る場合、対策方法はないのか、一緒に探っていきましょう。

穴掘りをする犬はたくさんいる!

犬を飼っているなら、この穴掘りのしぐさはどこの家でもよく見られる光景のようです。いろんな方の口コミを見ていると、犬種もさまざま。場所も、家の中だろうが外だろうが関係ないようです。

“犬のゴールデン飼っています。土の上に穴を堀、深いときは30センチ位掘ります。”
引用:Yahoo!知恵袋
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q121290462

“昔実家で飼っていたシベリアンハスキーは夏場、庭中穴だらけにしてそこの中で涼んでました”
引用:Yahoo!知恵袋
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1276927137

“うちは昔、ダックスフントを飼っていましたが、庭に出すと喜んで穴掘りしていましたよ。”
引用:Yahoo!知恵袋
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1092066310

“うちは雄の柴で室内飼いであまりしませんが、テンションがあがると座布団やソファなんかをがりがり掘っていますよ。”
引用:Yahoo!知恵袋
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1068560040

“生後二ヶ月半のヨーキー(♂)を飼っています。犬のお気に入りのクッションがあるのですが、たまにその上で引っかくような動作をしています。ストレスか何かかと思いましたが、よく見ていると必死に穴を掘ろうとしてるように見えます。”
引用:Yahoo!知恵袋
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1187706516

“うちのチワワも、自分のドームベッド・自分の寝袋をホリホリして整えて横になります。”
引用:Yahoo!知恵袋
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14120454554

“うちのトイプードルは、横になる前に地面を掘るような仕草をしてぐるぐる回って何度も地面を掘る仕草をしてようやく寝そべります。”
引用:Yahoo!知恵袋
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12142384367

こうしてみると、さまざまな犬に穴掘りの習性があるようです。

掘ったあとはどうしてるの?

それでは、その犬たちは穴掘りのしぐさをしたあと、どのような行動をとっているのでしょうか?上の口コミを見ると、そのあとその場で寝る子がちらほら…。他の子はどうなのでしょうか?

“ほりほりした後は必ずその場所に丸くなって寝ています。”
引用:Yahoo!知恵袋
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1187706516

“全くほれてないし何も変わってないですけどほりほりして納得して寝ます。”
引用:Yahoo!知恵袋
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12142384367

“布団やクッションを寝床にする時に自分の場所を整える感じ?つもりなんでしょうか・・・”
引用:Yahoo!知恵袋
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1187706516

“私の犬は土を掘るとそこが冷たいって気づいたみたいでそこにお腹をつけて寝てます”
引用:Yahoo!知恵袋
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1068560040

どうやら、その場で寝てしまう子が多いようです。また、外を掘る子は体を冷やしているという話も…。

ちなみに他のイヌ科の動物はどうしてるの?

それでは、他の動物はどうなのでしょうか?イヌ科を代表する動物と言えば、その姿もよく似ているオオカミです。北海道の旭山動物園のオオカミも、よく穴を掘るようです。

“雨が続き、穴の一部が崩落。これを機に穴を埋めることに。ここから数日間、埋める(人間)→掘る(オオカミ)のいたちごっこ。”

引用:旭山動物園「しいくのぶろぐ」
http://www5.city.asahikawa.hokkaido.jp/asahiyamazoo/zoo/blog/blog.html

また、秋田県の大森山動物園のオオカミも…

“穴掘りが大好きで展示場のあちこちに穴を作ります。”
引用:大森山オオカミ
http://ohmori-wolf.doorblog.jp/archives/17931107.html

同じくイヌ科のキツネも穴をよく掘るようです。

“キツネには穴掘りの習性があるので、床をほりほりしちゃうんですね~。そのため、キツネを飼っている人のおうちは壁も床もカーテンもボロボロです。”
引用:RooVeR
https://www.roover.jp/articles/V6OZY

タヌキもイヌ科ですね。穴は好きなのですが、こちらはちょっと様子が違います。

“御覧のようにタヌキも穴に入るのが好きですが、実はあまり穴掘りは得意ではありません。アナグマやキツネが掘った穴のお古や枝分かれの一部などを利用することも多いといいます。”
引用:小学館ウェブ子育てカフェ
http://kosodatecafe.jp/zoo/184/

こうしてみると、犬以外の動物もよく穴掘りをするようです。また、イヌ科の動物に限らず、猫もウサギも穴を掘るので、犬に限った珍しいことではないようです。しかし、なぜそんなに穴を掘るのでしょうか?

犬が穴を掘る理由は?

犬が穴を掘るのには、いくつかの理由がありました。その理由としてよくあるものから紹介していきます。

理由①寝床を作るため

犬が穴掘りをする一番多い理由は、寝床を整えるためです。これは犬の祖先から続く習慣で、本能的な行動です。飼い主が寝床を用意してあげたフカフカのベッドでも、寝る前は本能から掘らずにいられない子は多いようです。たとえ掘ったところで何も変わらなくても、習性として掘らずにはいられないのですね。

②体温調節をするため

また、上にあげた口コミにもあったように、冷たさを求めているということもあります。夏の暑い日、外の地表はとても熱くなっていますが、実は、地中は意外と温度が低いまま保たれています。

“深さ10mくらいのところの地温は、年平均気温にほぼ等しくなっています。四国九州の南部で20℃、北海道で10℃、東京や大阪では17℃程度です。もちろん深くなれば地温は上昇しますが、100m程度の深さでは温度の上昇は2~4℃程度です。”

引用:地中熱利用促進協会
http://www.geohpaj.org/introduction/index1/howto

そこで、ひんやりとした穴で体を冷やしているのですね。
また、犬は人間のように汗をかいて体温を下げることができません。そのため、暑すぎる日には、何らかの方法で体温を下げることが必要になります。

“犬には肉球(足の裏と指の間)にしか汗腺がなく、発汗による体温調節ができないので暑さが苦手です。犬は汗をかく代わりに、だらりと舌を出して、「ハアハア」と激しく呼吸すること(「パンティング」と言います)で、唾液を蒸発させて熱を体の外に放出します。
また、土に穴を掘って体を埋めたり、ひんやりした床やコンクリートの上に腹這いになったりするのも、腹部を冷やして体温を下げようという暑さ対策です。”

引用:花王ペットサイト
http://www.kao.co.jp/pet/dog/jiten/category01/005.html

誰に教わるでもなく、穴を掘れば涼しさを得られると、本能的に理解しているのですね。

理由③食べ物を隠すため

“犬は昔群れで行動していましたが、その群れのリーダーには絶対服従をしていました。
リーダーにごはんを取られても反発はしませんが、同じ立場の犬から取られることはとても嫌がります。”

“先述した通り、犬は同じ立場の犬からごはんを取られることを嫌がります。つまり、犬がごはんを隠すのは飼い主さんに取られると思っているからということになり、立場が同じものとして認識しているからなのです。”
引用:わんちゃんホンポ
https://wanchan.jp/osusume/detail/4259

“我が家の初代と2代目は我が家の庭で屋外飼育(放し飼い)でしたが、庭によく埋めてましたよ。ただ、埋めたまま忘れているのがほとんどだったように思います。庭の手入れなどで地面を少し掘ると、埋めた食べ物が出てくることもありました”
引用:Yahoo!知恵袋
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13144090503

食べ物に恵まれているペットの犬は、本来隠す必要はないのですが、本能的に隠そうとして、そのために穴を掘ることもあるようです。

 

※この記事と併せて読むならこちらの関連記事もどうぞ。

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理由④遊び・退屈しのぎ・不安の解消のため

これまではちゃんとした穴掘りの理由をあげましたが、どうやらそれだけではないようです。飼い主にかまってほしいときや、退屈なときにもなんとなく穴掘りのしぐさをすることがあります。また、雷が鳴ったりして不安に襲われたときに、身を守ろうとして穴を掘ろうとすることもあります。

穴を掘られるとちょっと困る【対策編】

しかし、やはり掘られて困る場合もありますよね。なんとか止めてもらうには、どうすればいいのでしょうか?

冷たい場所を与えてあげる

犬が冷たい場所を求めて穴を掘っているなら、冷たい場所を提供してあげるといいかもしれません。

ウェットタイルという商品があり、屋内でも屋外でも使うことができます。タイルに水を染みこませて使うのですが、水分が蒸発するときに熱を奪っていくため、表面の温度が下がるという仕組みです。

たとえば、コンクリートの地面が熱く、土の地面がコンクリートほど熱くないのも、これと同じ原理です。コンクリートにはあまり水分が染みこまないため、蒸発して熱を奪っていくことがほとんどありません。そのため、太陽の熱をどんどん溜めていき、夏場はその表面が気温以上に熱くなってしまいます。しかし、土には水分が含まれており、それが地表から蒸発していくため、コンクリートと比べて地表の温度が冷たくなるのです。

このウェットタイルも、水分を含みやすく、蒸発しやすいため、冷たくなるという仕組みです。

参考:楽天 スペースファクトリー
https://item.rakuten.co.jp/space-f/c/0000000300/

また、スノコを置いてあげてもいいかもしれません。その下を風が通るので、熱がこもりにくくなります。

まめにブラッシングをして、暑さをしのぐようにする

“わが家のワンコは長毛でダブルコートなので、この時期はハアハア言いますが、訓練士さんの指導をいただいて、昔ながらのクシを使って梳いてやっています。不要なアンダーコートがごっそり抜けると、毛の間を風が抜けるので、ワンコはグッと落ち着きますよ。”
引用:Yahoo!知恵袋
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1065842130

犬のブラッシングをまめにしてあげることで、暑さを和らげることができそうです。とにかく、体が熱を溜めこまないようにしてあげましょう。

遊んであげて気をそらす

夢中で穴掘りをしていても、呼ぶとハッと我に返ることもあります。そんなとき、すかさずおもちゃなどで気を引いて、遊んであげるようにしましょう。そうすることで、犬は穴を掘ることを忘れてしまいます。

ごはんやおやつを与えたらすぐに片づける

穴を掘ろうとする原因が、食べ物を隠すための行為である場合、犬が食べきれずに残した食べ物は、その都度、犬から見えないところに片づけてしまいましょう。残っていると、本能的に隠しておこうと、そしてそのために穴を掘ろうとすることがあります。

ストレスを溜めないように、しっかり運動させる

ストレスから穴掘りをすることもあります。掘った後にそこに寝るわけでもないなら、遊び・退屈しのぎ・ストレスのどれかです。なぜ掘っているのか、掘っているそのときだけを見て考えるのではなく、犬の生活全体を見直して原因を探っていきましょう。遊びや退屈しのぎであればまだいいのですが、ストレスが原因だと思われる場合は、その子の健康のためにも、散歩などの運動を十分にして、コミュニケーションもしっかりとってあげるといいかもしれません。

まとめ

犬は、さまざまな理由で穴掘りをすることが分かりました。一心不乱に掘っていても、動物として自然な行動なので、あまり心配する必要ありません。ただ、掘られると困る場合や、掘っている理由がストレスかと思われるときは、しっかりと対策をしてあげましょうね。


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