一瞬の強い光とともに、大きな音が鳴り響く雷。近くに落ちると人間でさえドキッとしてしまいますが、犬も同じです。平気な子もいますが、なかにはパニックに陥り、鳴く、吠える、脱走するといった子までも…。ここまで怖がる理由は何なのでしょうか?どのように対応すればいいのでしょうか?また、留守番させているときは?対処の仕方を、一緒に見ていきましょう!

 

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怖がってパニックに!

雷が怖くて、パニックに陥ってしまう子も、犬によっていろいろな反応を見せるようです。

鳴く、吠える、固まる…反応はさまざま

雷の音が鳴ると固まってしまう。ぶるぶると震える。家中をうろうろする。吠えたり噛みついたりする。おもらしをしてしまう。物陰に隠れて出てこない。よだれをたらす。呼吸が速くなる。脱走する。食欲をなくす。吐いてしまう。こんな風に、それぞれいろんな反応を見せます。

しかしなかには、全く平気ですやすや寝ている子も…。それはそれで、耳が聞こえないのかとか、何かの病気じゃないのかとか、別の心配が出てくる飼い主もいるようです。しかし、病院に連れて行って異常がなければ、特に心配する必要はありません。信じられないくらい平気な子は時々います。もしかすると、幼いころから大きな音に慣れているとか、音が鳴っても危険ではないとよく分かっているのかもしれませんね。

また、雷だけではなく花火の音にも同じように怯えてしまう子。雷は平気なのに台風は怖がる子。同じく、雷は平気なのに掃除機は怖がる子もいるようです。さらに、同じ家で2匹一緒に育ちながらも、全然反応が違うという子たちも。本当に、犬それぞれですね。

理由

雷が鳴ると、音に驚くのはもちろんのこと、犬は人間が感じ取ることのできない微妙な気圧の変化や、静電気を感じ取っている場合があります。雷が鳴ると、私たち人間が感じるよりも、はるかに多くの刺激を受けているようです。

また、犬は恐怖、不快感、痛みなどを学習して覚える性質があります。その時の記憶を呼び覚ますきっかけとなるものがあると、一気にフラッシュバックして怯えることもあります。何度も雷を経験してきた子は、それに慣れるどころか、過去の恐怖も思い出し、ひどいときにはそれにまつわるもの(雷の場合は、雨や強い風など)が現れただけで、パニックに陥る子もいるようです。

落ち着かせる対処法

怖いという感情は、簡単に打ち消すことができるようなものではありません。このときにもし怒ってしまうと、余計パニックに陥らせてしまう可能性もあるので、絶対に怒ってはいけません。少しでも安心できるよう、とにかく普段通り落ち着いて接してあげましょう。

優しく抱きしめてあげる

犬が自ら飛んできてすり寄ってくる子もいますが、そうではない場合は、そっと優しく近づいて、もしこちらへ身を任せてきたら、抱きしめてあげましょう。

いつも通り声をかけてあげる

犬は、飼い主の声を聞くと落ち着くこともあるようです。普段と変わらない落ち着いた感じで「大丈夫だよ」などと話しかけてあげましょう。過剰に慰めたり励ましたりしようとすれば、犬が違和感を抱き、不安を大きくさせてしまう可能性があります。あくまでも「いつも通り」が大切です。

バスタオルでくるんであげる

その包まれる感覚からなのか、落ち着いて少しはマシになるようです。固まって動けなかった子が、オモチャで少し遊んだり、眠ってしまったりということも…。この方法は、雷のときに限らず、たとえば犬のシャンプーをしたあと、体を拭くときに落ち着かない子は、背中にバスタオルをかけると静かになるという話もあるようです。

安心できる場所を作ってあげる

飼い主が出かけていて、犬が留守番をしているときには、側についていてあげることもできず、飼い主も心配でたまらないですよね。万が一、そんな状況になってしまったときのために、家のなかでも特に安心できる場所を作ってあげましょう。

動物は、危険を感じた時、とっさに避難して隠れる習性があります。普段から、いつでも出入りできるゲージなどを用意しておき、その子のにおいがついたバスタオルなどを入れてあげましょう。また、飼い主のベッドにもぐりこめるよう部屋を開けておくのもいいと思います。何かあったとき、避難できる場所があるだけで、少しは不安がまぎれるかもしれません。

そのほかの対処法

ここまでは、家でわりと簡単にできる方法を紹介しましたが、他にも、いろいろな対策方法があるようです。

脱感作療法というトレーニング

これは、普段から音響テープなどを使って、小さな音から徐々に慣れさせていくトレーニングです。録音した雷の音を、怖いとは思わない程度の音量で聞かせていきます。これは、少しずつ長期間にわたって行うものですが、注意事項として、その期間中に本物の雷を体験させてはいけないということがあります。

また、時にはその脱感作療法そのものが、犬にとってストレスとなることもあるようです。もし弱い音でさえ怖がる様子を見せたら、即座に中止しなければなりません。

雷に反応する静電気を取り除くケープ

犬の雷に対する恐怖のなかで「静電気が原因である」という説もあるようです。

そもそも、生き物はそのほとんどがわずかに電気を帯びています。普段は+と-のバランスがきちんと取れているため、電気を感じることはないのですが、ちょっとした摩擦などにより、その部分の+と-のバランスが変化して、バチッと電気を感じることがあります。これが静電気です。人も、冬場に車のドアを開けるときや、セーターの着替えのときなどに悩まされることが多いですよね。

犬ももちろん、電気を帯びています。それが、雷にほんのわずかに反応していて、人よりもはるかに敏感な犬は、その反応を感じ取り不快感を抱く、ということが言われているようです。その静電気を体から取り除き、犬の不快感を緩和させるための、特殊加工されたメタリック素材のケープも発売されています。

 

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まとめ

以上、いろいろとご紹介しましたが、気になった対策はありましたか?雷によるパニックは、それぞれの犬の精神的な問題なので、一概に「絶対にこれが効く」と言えるものは、残念ながらありません。ですが、何か合う方法はきっとあるはずです。少しでも犬の不安を和らげてあげられるよう、ぜひいろいろと試してみてくださいね。


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