ペットに名前をつけるのは人間の側の都合ですよね。愛着もわくし、わかりやすいし。つけた名前を呼ぶことで、犬も自分の名前を呼ばれ慣れると振り向きます。場合によっては、返事をしているかのように吠えたり、嬉しそうに寄ってきたりしますよね。あれって、名前を「自分の名前」として認識しているってことなのでしょうか。仮にそうだとしたら、改名しちゃうと混乱が生じたりするのでしょうか。

犬が名前を認識しているとどんなメリットがあるのかないのか。新しい名前にするなら、どんな風に新名を教えれば良いのかも合わせて確認してみましょう。

こちらもあわせて参考にしてみてくださいね。

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犬は自分の名前を理解している

犬の知能はどれくらいか

「犬はどのくらいの知能を持っているの?」という疑問に対し、専門家の多くからは、人間で言えば2~4歳くらいと同等の知能だという説明をされます。人間の場合、そのくらいの時期には親が名前を呼ぶと、大多数の子供が振り向きますよね。人間は2~4歳ごろに自分の名前は「〇〇です」と話せはじめることから、繰り返し定着させることで自分はそういった名前の人間だということを理解していきます。ただ、犬も同様に自分の「名前」、つまりアイデンティティの一部だということを人間と同じように認識しているかどうかは曖昧です。

言葉の理解方法は人間と同じ?

世界的に権威のある雑誌「サイエンス」では、犬の脳が人間に似た方法で情報処理しているという研究結果が発表されました。この結果では単語とイントネーションでの反応をみているので、少なくとも犬は音を聞き分けていて、言葉の違いを聞き分け、言葉とイントネーションの理解ができているという証明になっています。犬が人間同様にイントネーションの違いを理解しているのであれば、楽しそうな高い声、怒っているような低い声、悲しい感じの細い声など、高低やそこに含まれる表現の違いも聞き分けていると考えられます。

呼ばれた!→嬉しい!の繰り返しで学習

人間もそうですが、その「言語」と「実際の動作や事象」を結び付ける時、楽しい気持ち、嬉しいことであればすぐに覚えます。飼い主が頻繁に犬を同じ名前を呼び、犬は呼ばれた時にご褒美をもらえるとか、一緒に散歩してくれるなど、楽しいことがあるのだと学習すれば、同じ呼びかけに対してすぐに反応するのです。そのため、犬の反応は単なる条件反射だとする説もあります。

犬は言葉のニュアンスまで感じている?

ところが、犬は時に人間の感情まで理解してくれているかのような行動をとりますよね。これが条件反射なのか?と思えます。犬は人間の言語を話せないので、人間には理解度を推し量りようがないだけで、犬も実際にはしっかり言語の意味まで理解しているのかもしれません。あるいはそこまでではなく、単純に飼い主がこう呼びかけたらどうすれば良い、と判断しているだけなのかもしれません。曖昧ではありますが、少なくとも犬は、言葉とイントネーションはなんとなく理解している、くらいに思っておけば良いのではないでしょうか。

犬に名前を覚えさせるメリット

メリット1:信頼関係を築きやすい

飼い主が犬の名を呼ぶと、すぐに反応を示してくれる時、飼い主としてはとても嬉しいですよね。犬とのコミュニケーションが取りやすくなり、犬を褒める回数も増え、人間と犬との間で愛着や信頼関係を築きやすくなります。また、危険な時などに犬の行動にストップをかける時、短く鋭く名前を呼ぶことで静止できることもあります。犬の名前を呼んで一瞬でも飼い主の方へ振り向かせることに成功すれば、命が助かるといった場面も往々にしてあるのです。

メリット2:主従関係を強固にしやすい

また、『飼い主が犬の名前を呼ぶ⇒犬が飼い主の目を見る⇒犬は次の指示を待つ』といった基本の行動パターンができることで、しっかりとした主従関係を結ぶことができます。この時のコマンド(行動にうつすための指示の言葉)が犬の名前なので、しっかり覚えてくれればアイコンタクトをとりやすくなり、さらなる高度な技を習得させるのにも大いに役立ちます。

改名したら犬は新しい名前を覚えてくれるの?

改名しても犬はきちんと覚えてくれる

一度自分の家にやってきた犬に名前をつけたら、それを改名することはめったにありませんよね。犬が混乱することを避けるためにも、むやみやたらに改名するのは避けるべきでしょう。でも、中には保護犬や何らかの事情があって他所から引き取った犬の場合には、かつての家族につけられていた名前がわからない場合がほとんどだろうと思います。この場合は、改名して新たな名前を付けてあげることで、新しい家族との絆を改めて築くことができます。犬も、例え新しい名前でも、しっかりと覚えてくれます。過去の嫌な記憶のある名前で呼ばれるよりも、むしろ改名した名前の方がいいのかもしれません。

犬に改名した名前を覚えてもらう方法

犬に名前を覚えさせる方法は簡単です。子犬に1から教える時であっても、成犬に改名した名前を教える場合でも基本は同じです。基本は、良い出来事と結び付けつつ、できるだけ短く名前単独で、明るい楽しそうな雰囲気で優しく名前を呼んであげるだけです。

たとえば、

・名前を呼ばれた時に振り向いたら、犬が喜ぶ方法で褒めてあげる。

・犬の名前を呼んだあと飼い主のそばに来たらご褒美をあげる。

などのように、犬が名前を呼ばれたらいいことが起こるのだと認識できれば、わりと早いうちに新しい名前に反応してくれるようになります。ちなみに、犬は褒められたりすることがとっても大好きです。ほめ方は、なでる、いい子だねと言葉で呼びかける、オヤツをあげる、遊んであげる、散歩に連れ出してあげる、などです。そして、褒めてあげる時は、飼い主さんは笑顔で、声のトーンはいつもよりも高めで声をかけるようにしましょう。全身を使って、多少オーバーかな?という程度で褒めてあげるのです。

人間への不信感や警戒心が解けるまでのんびりと

ただ、その覚える早さは犬によってまちまちです。特に保護犬の場合、トラウマや過去の状況次第では警戒心がなかなか解けず、新しい飼い主さんへの信頼が芽生えるまで時間がかかり、なかなか名前と良いことが結び付かないこともあります。だからと言って、叱ったり罰を与えるのは逆効果にしかなりません。じっくりゆっくり向き合って、精一杯褒めてその犬に合った方法で安心させつつ名前を覚えさせてあげてください。犬は人間の様子をよくうかがっているので、新しい飼い主さんが犬に対してがっかりしていたり、イライラしていることも伝わってしまいます。なかなかうまく覚えてくれなくても、初めからそんなものと思ってのんびり構えてくださいね。

犬の名前人気ランキング(男の子・女の子別)

最近は、犬の名前とは思えないような、カッコいい、あるいはかわいい名前も増えてきましたよね。まるで本当に人間の子供のような名前だったり。

さて、ではここ数年の人気お名前ランキングをちょっとだけご紹介します!

まずは『アイリスペットどっとコム』で公開されていたランキングです。

男の子女の子
 1位コタロウモモ
2位リクサクラ
3位コロナナ

続いては、『アニコム 犬の名前ランキング』で公開されていたランキングです。

男の子女の子
 1位ソラハナ
2位レオココ
3位コタロウモモ

犬が洋犬なら、その見た目にも合うようにカタカナで名前をつけるのが定番のようですが、漢字で「空」としてみたり、ひらがなでやわらかな雰囲気を出してみたりといった命名の仕方もあるようです。やはり短めで発音しやすい名前が多いですね。

犬にとっても聞き取りやすく、間違えにくいような名前が上位を占めています。誰もが呼びかけたくなるような素敵な名前を付けてあげられると良いですよね。

 


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