「ウチのコ、実はデブチン。なんだか気がついたらずいぶん貫禄がでちゃってるけど・・・コロコロかわいいから、まっいいか!」

なんてありがちですよね。でも本当はそうも言っていられない、愛犬の肥満にはとんでもないリスクが!

今すぐダイエット!・・・って、自分のダイエットもできないのに(涙)どうやって?

犬の肥満問題点は?

食欲旺盛、ゴハンは毎日ペロリと平らげオヤツも大好き!「もっともっと!」のかわいらしいオネダリにはつい応えたくなってしまいますよね。しかし人間同様、ワンコだって太りすぎにはさまざまな健康リスクが潜んでいます。

重量オーバーで負担に

まずすぐに思いつくのは増えすぎた体重を支える足などの関節炎、負担のかかりやすい腰の椎間板ヘルニア。痛がる様子もかわいそうですが、椎間板ヘルニアで手術ともなれば手術費用だけでも20~50万とお財布にも大打撃です。

デブチンで思わぬカイカイ発生

そうした思い浮かびやすいリスクだけでなく、肥満にはまだまだ思いがけないリスクもあります。脂肪でたるんでできた皮膚のシワ、クビレ。そのために表面にでなくなった部分の皮膚が不衛生になり皮膚炎に。

命に係わる問題も

肥満による糖尿病や脂肪で気道が圧迫されることによる呼吸器系疾患の発症や悪化、心臓の負担が増えることによる心臓病のリスクなど、内科的な疾患の心配もあります。内臓疾患に発展してしまうと、障害薬を飲み続けなければならないとか、定期的な検査や悪化した場合の手術など、ワンコの身体への負担が重たいことももちろんですが、それらによるストレスも心配です。

こんなにいた!日本の肥満犬

明治大学農学部の研究では、日本で飼育されている犬のうち「太り気味」「肥満」と判定された犬が50%を超えたといいます。どうやら愛犬の肥満は思ったより身近な問題と言えそうです。

「そんなに太ってないもんね~?」と思ってきた愛犬の体重や体形。肥満によるトラブルに見舞われる前に、見直してみた方がいいかも・・・?!

ダイエットさせるなら方法は?

人間ならば、ありとあらゆるダイエット法が巷に溢れています。糖質制限やファスティング、体幹を鍛えたりウォーキングをしてみたり、菌活で腸内環境を整えて・・・なんていう方法もあります。しかしそれらの数あるダイエット方法も突き詰めていくと、食事と運動量のバランス、つまりはカロリーの摂取と消費のバランスの問題に行き着きます。

そしてそれは、ワンちゃんのダイエットでも同じこと。ワンちゃんでも人間同様、食べる量や内容と運動量のバランスが大切です。

特にポイントになるのは「食事」

食事の内容が糖分の多いものや脂質の多い高カロリーなものに偏っていれば太りやすくなりますし、食べている量に対して消費カロリーが少なければやはり太りやすくなります。

そのため、具体的には

・食事の量を減らす(適正にする)
・ローカロリーな食材やダイエットフードを取り入れる
・お散歩の時間を延長したりドッグランなどで運動量を増やす

といった方法が考えられます。

愛犬のダイエット経験があるという飼い主さんたちの話を聞いていくと、やはりポイントになるのは「食事」のよう。フードをダイエットタイプに切り替えたり、野菜やお豆腐などでかさ増ししつつのカロリーダウンや与え方の工夫で成功したという声が多くあります。

「少しずつ計画的に」が大切

ワンちゃんのダイエットとなると、人間のように自ら「よし!〇キロ痩せるぞ!」なんて決意をするわけもなく、あくまで飼い主さん主導。「愛犬のダイエットを!」というときには、まずは飼い主さんがワンちゃんの食を含めた生活を見直してあげることが必要です。

規定量しかあげていなくても太る場合がある

たとえば、いつもキレイに食べきっているフード。しかしその量が必ずしも愛犬の「適量」であるとは言い切れません。市販のドッグフードには、「〇Kgまでは何グラム」という適正量が書いてありますが、その通りにすれば肥満にならないというわけでもないのです。人間だって、カロリーを厳密に計算しなければ痩せない人もいれば、あまり気にせずに食べても太らない人がいるように、ワンちゃんもその子の体質や運動量、筋肉量などによって適正なフードの量が変わってきます。

お腹がいっぱいになることはない

また、よく言われることですが、ワンちゃんって基本的には「あっただけ食べる」ところがあります。「祖先であるオオカミが」「野生では」など、その理由にはいろいろ言われるところがあり、にわかには信じがたいところも。しかし「貰えるオヤツはもれなく貰います!・・・とでも?」とツッコミたくなる愛犬の様子を見ていると、「食べられるときに食べる」という性質があるのは見ていて分かる気もします(笑)。

一説には、犬は体重の10%ほどの量を食べないと満腹にならない、とも言われています。好きなだけ食べさせておくと、体重が5Kgのワンちゃんであれば、500gもの量を食べられちゃうということに。でもそんなに食べていたら間違いなく健康を害します。つまり、お腹いっぱいにしてはダメなんですね。

運動をメインでダイエットは厳禁

オヤツをねだる姿も愛らしい、食べる姿もキュート、オヤツを残そうものならかえって体調が悪いんじゃないか?と心配になる。そうこうしているうちに気づけばすっかり立派な肥満犬に・・・(笑)ということもあるワンちゃん。

しかし「ダイエットしなきゃ!」と急に極端な運動をさせようとしたり、急激に食事量を減らしたりしてしまうのは厳禁です。人間だっていかにダイエットの決意を固めていようとも、極端な運動や食事制限はストレスですし続きません。むしろ、急に運動をさせることで心臓への負担がかかったり、足腰を痛めるなどのリスクが高まります。筆者の自宅の愛犬がダイエットした際は、獣医さんに「運動で痩せさせていないですよね?」とチェックされたものです。

食事と運動のバランスが取れていることはダイエットの基本ですが、極端な方法に走らないこともまた、ダイエットの基本なのです。愛犬のダイエット方法として食事と運動のコントロールは必須ですが、「少しずつ計画的に」を念頭に置いておきましょう。

難しい「適正」の把握、まずは相談を

愛犬のダイエットの第一歩は、適正体重を把握することにあります。そのポイントにはワンちゃんを真上から見たときの体格と真横から見たときの体格、そして胴回りを触ってみたときの様子などがあります。

とはいえ、素人がそれを的確に判断することは非常に難易度の高いこと。「ウチのコちょっと・・・ダイエットが必要?」と思ったら、まずは獣医さんに相談してみるのがオススメです。それというのも、食事や運動の「適正」を見誤ってしまうことで、かえって健康を損ねてしまったり思わぬケガの原因を作ってしまうことにもなりかねないんです。

・ダイエットが必要な状態か?
・必要だとして、どの程度の減量が必要?
・運動をするとして、ウチのコはどのくらいの運動から始めたら良い?

ネットを探せばいろいろな体験談やダイエット法の紹介もありますが、同じ犬種のワンちゃんでも生活環境や体質、健康状態もさまざまです。「ダイエットが必要かも・・・?」と思ったら、まずは獣医さんに相談してみることから始めましょう。

ダイエットに向かない方法

”急激に食事量を減らすと犬にストレスが溜まるだけではなく、健康を損ねることもあります”
”主治医の先生と相談しながら段階を踏んで食事量を調整していく必要があります”
”食事量が減ることにより空腹を感じ、胃酸過多で胃酸を嘔吐することも”
引用「アクサダイレクト」 https://www.axa-direct.co.jp/pet/pet-ms/detail/6010/

健康のためにダイエットを、と思って始めた食事制限でも、やり方次第では危険を伴います。

胃液を吐いてしまうほど空腹になるようでは、過度の食事制限と言えますね。体調を崩すだけでなく、ストレスから吠えたり噛みついたりといった問題行動に繋がってしまうこともあります。

”フードの量は同じで、回数を増やした”
”回数を増やした上、少し残しておいて寝る前に与えたところ全く吐かなくなりました”
引用「dogoo.com」 https://www.dogoo.com/toukou/dogqa/faq_log/20006955.htm

ワンちゃんの食事制限には、「少しずつ減らす」「量ではなく内容を変える」「1日の食事量を分割する」などの工夫が必要です。

また、ダイエットには運動も必要ですが、急激に運動量を増やしたりといった無理は禁物です。もともとあまり運動する習慣がなく既に肥満体形になってしまっているワンちゃんに急に運動をさせたことで、関節に負担がかかって捻挫や脱臼などのケガをさせてしまうこともあります。また心臓への負担が急に大きくなったことによる体調不良を引き起こす危険性もあります。

極端な食事制限をしたり、急に今までと比べてハードな運動を始めたり。一見効果がありそうな方法ですが、愛犬の負担や健康リスクを考えると、ちょっと考えものですね。

ダイエット成功!みんなの体験

ダイエットには食事と運動・・・とはいえ、ここまで説明してきたように、極端な運動や過度の食事制限をしてケガや体調不良の原因を作ってしまっては元も子もありません。

では「ダイエットに成功したよ!」という飼い主さんたちは、どんな方法で成功したのでしょうか?

「フードにひと手間」でストレスフリー

”我が家がやった方法で、ドッグフードを一度熱湯にさっと晒し、油抜きをしてから与える方法”
”ワンにとっては量も変わらないので、うちのは本犬のあずかり知らぬところでダイエット”
引用「Yahoo!知恵袋」https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1156261686

市販のドライフードでも、比較的油分の多いタイプも多いです。ドッグフードを触った手がオイリーになっている経験をしている人もいるのでは。それを油抜きすることでカロリーダウンを狙ったやり方です。確かにこれならワンちゃんとしても負担がありませんよね。

ただし、これには

「ドッグフードのニオイが家じゅうに充満する」
「冷めるまで食べられない」

というトホホなオマケもあったようです(笑)。

「かさ増し」ネタにも工夫あり!

”うちは ニュートロの「シュプレモ・肥満犬用」を与えて”
”かぼちゃ・じゃがいも・さつまいもなどをかさましの為に入れましたが 一番良かったのは 豆腐とおから”
引用「Yahoo!知恵袋」https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1072012110

人間でもダイエットのために糖質となる主食を減らして野菜を増やしたりといったこと、しますよね。しかしワンちゃんの場合、あまり野菜に頼っても含まれるセルロースを消化しきれず下痢をしてしまったりと胃腸に負担をかけてしまうことも。ですが、豆腐やおからといったものなら低カロリー高タンパクですし、ダイエットだけでなく太りにくい体作りにも効果がありそうですね。

ダイエットの天敵である空腹。上手なカサ増しでダイエットを成功させた例です。

ナルホドの嵐!「減らす」だけじゃないポイントも

譲り受けたワンちゃんが「食べるの大好き!」というおデブちゃんだったという方の成功したダイエット方法がかなり「ナルホド!」の嵐でした。

”・1日に食べる回数・頻度を増やす(1日に食べるフードの総量は同じ)”
”・運動を増やす、散歩や遊びの増加、芸の種類を増やす”
”・食器を替える、早食いができないよう、早食い防止食器に変更”
”・オヤツなし、またはオヤツを小さくして量を減らす”
”・家族の食事中、犬は別室に移動”
引用「dogoo.com」https://www.dogoo.com/toukou/dogqa/health/diet2.htm

もちろん、1日あたりの食事量を減らしたり、ささみや野菜など低カロリーな食材を使用したりといったこともされていたそうですが、「オヤツを小さくする」というのは意外と盲点かもしれません。今までもらえていたオヤツが急にもらえなくなったら、ワンちゃんとしても日々の楽しみが・・・となってしまうところ。でも例えば、1つのオヤツを小さくして小出しにされるくらいなら、ワンちゃんの満足度は下げずにカロリーダウンできるというわけですね。オヤツの回数をそのままに、1個あたりを小さくしたという人間の頭脳勝ちです。

ほかにも芸の種類を増やしたりといったことなら、ワンちゃんも遊んでいるうちに知らず知らずカロリー消費できて、飼い主さんと遊ぶ楽しみとダイエットの一石二鳥に。飼い主さんと一緒にトレーニングをすることで、飼い主さんとワンちゃんの信頼関係も深まり、頭も身体も使ってカロリー消費、夜も疲れて早く寝てしまえばだらだらオヤツをねだることもなくなって、ストレスもなくなるという、なんともいいことずくめの方法です。

こんな小さな工夫の積み重ねこそが実は、愛犬のダイエットを成功に導く一番のコツなのかも知れませんね。

ずっと一緒にいてほしいからこそ、愛犬の健康管理のためのダイエットを考えなくてはならない場合もありそうです。


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