人間なら小さい頃から健康診断を受けますし、40歳を超えたあたりからは、がん検診や人間ドックなど、より詳しい検診を勧められる事もあるでしょう。

健康診断のメリットはなんといっても早期発見、早期治療ができること。とすれば、愛犬にも健康診断を受けさせたいと思う方が増えているのも当然かもしれません。

どのくらいの時期・何歳くらいから受けると良いのかとか、そもそもどんな内容のチェックを受けられるのかなど、見てみましょう。

そもそも犬に健康診断は必要?

大事な家族の一員である愛犬も、一昔前と比べると平均寿命が延びてきているのをご存知でしょうか。医療の進歩ももちろんありますが、ペットフードの質の改善や私たち人間の知識の向上もあり、犬種に合わせた最適な生活に近づけられる様々な環境が整ってきたという事も理由でしょう。

寿命も延びて高齢犬も増えてきていますので、それに伴って人間のように介護が必要になってくるワンちゃんも増えてきました。犬も老いてくると人間同様に、様々な病気のリスクが高まります。徐々に足腰が衰えたり、老いによる衰弱が見られたり。また、ガンになる犬もいれば、内臓系や血管、泌尿器まわりに病気が見つかる事もあります。

ただ、犬はとても我慢強い生き物です。たいていの場合、何かしらの病気らしきものが見つかった時点ですでにかなり悪化した状態になっており、緊急手術しなくてはならない例も多くあります。ところが、重症で難しい手術が必要となると、対応できる病院も限られてきてしまいます。健康保険制度のないペットの医療費は、もちろん高額になってきます。仮に、難治性の病気にかかってしまったペットを全て自費診療で治療をするとなった場合に、あまりにも高額な医療費になってしまって泣く泣く十分な治療ができないというケースも・・・。

でも、まだまだ病状が軽い内に発見できていれば、治療も簡単なものですみますし、完治する可能性も高まります。そのため、なるべく早期発見・早期治療開始をしたいと考えるなら、やはり健康診断は重要です。犬にとっても、飼い主にとっても必要な事と言えるのではないでしょうか。

犬の健康診断の内容と費用は?

犬の健康診断も、人間と同じように組み合わせがいろいろあり、選ぶ事ができます。また、動物病院によってもセットにしてある検査項目が多少違えど、だいたいは似たような感じですね。基本的には次のような検査をしてくれます。

犬の健康診断チェック内容

・問診
・触診
・目、耳、口腔内チェック
・体重測定
・血液検査
・尿検査
・便検査

さらに、必要に応じて次の物をオプションで付けてくれたり、もともとセットされていたり病院によっても対応が違うのが次のような検査です。

オプションの場合もあるチェック内容

・レントゲン検査
・超音波検査
・心電図検査
・血圧測定
・甲状腺ホルモン検査
・眼科検査

健康診断の費用は病院によってピンキリなので一概に言えませんが、参考までにいくつかの病院のデータから見ると、基本的なコースでざっくりと下は5千円くらい、上は3万円くらいとなっていました。

セットになっている検査項目が本当にまちまちなのでどこの病院が高い、とも言い辛いのですが、検査項目を増やせば当然それなりに高くなります。普段から健康に気を配っていてまだ若い犬なら最低限のコースですませておき、そろそろ気を付けた方が良いかもという時期からぼちぼち検査項目を増やすのが一般的なようです。これもまた、人間と同じ感じですね。

もちろん、持病があるとか何か気になる所があれば、そこを重点的に検査するようオプションを付ける事もできます。

何歳くらいから健康診断すべきか

では犬は何歳くらいからぼちぼち健康に気を付けた方が良いお年頃と言えるでしょうか。

早ければ早いほど良いとする人もいるのですが、人間で考えてみると40歳代から老化が目立ってくるということから、40歳からが人間ドックにかかり始める良いお年頃(?)というのが多くの医師の見解のようです。それに合わせて各自治体も、凡そ40代くらいからの健康診断に力を入れ、様々な補助政策をとっています。健康なうちからしっかり検査して、大病を防いで健康保険の消費を最低限にしたいという狙いもあるのです。では、犬にとって、人間の40代にあたる年って何歳くらいなのでしょうか?

犬と人間の年齢換算については諸説あるのですが、一般的には小型犬や中型犬は1歳になれば人間の24歳くらいだと言われています。そこから1年ごとに4歳ずつ増えていくことになりますので、凡そ5歳で人間で言う40歳くらいに到達することになります。大型犬の場合はそれよりはスパンが長く、1歳で人間の12歳くらいにあたり、そこから1年ごとに7歳ずつ増えていきます。つまり、大型犬も結局は5歳くらいで人間の40歳にあたります。このように、犬もだいたい5歳くらいから老化がはじまっていくそうです。

つまり、犬の場合は5歳以上になったら、1年に1度は定期的に健康診断をして、10歳を超したあたりでは半年に1度は受けて置いた方が安心ということを言われています。それに加え、できれば一ヶ月に1度は簡単な触診や体重測定、見た目の変化がないか、などの最低限の健康チェックをしてもらっておくと良いでしょう。特にどこかが気になるというわけではなくても、定期的にチェックをしてもらうことで、変化を早期に発見できる可能性が高まるのです。

毎日のスキンシップも重要

人間であれば1年に1回でよい健康診断も、犬なら1年で5歳~7歳も歳をとると考えれば、1年間で5~7回の健康診断をしてもおかしくない、という考え方もできますから、やはり動物病院での健康診断は心強いです。とは言え、そんなにしょっちゅう健康診断をするのは、お財布にもきついし、何よりワンちゃん自身もストレスかもしれません。(採血などしなければいけませんから)

それよりは、日ごろのスキンシップを通じでの、飼い主さんの普段の気付きも重要です。なんとなく最近元気がなくなってきたとか、食べる量が減ってきたなどの変化にいち早く気付けるのは飼い主さんだけです。重篤化する前に医師に相談できるかかりつけ医を見つけておくことはまず大前提ですが、そのうえで健康診断を定期的に受けると健康寿命も伸ばせると思いますよ。

 

 


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